やさしいJava 第7版

やさしいJava 第7版
「やさしいJava 第7版」は、シリーズ累計100万部を突破した定番のJava入門書を、最新の学習環境に合わせて改訂した一冊です。Java入門書として長年支持されてきた内容をベースに、Java 11およびOpenJDKを使った環境構築にも対応し、現在のJava学習環境に即した形で学べるようになっています。
Javaという言語に対して「難しそう」「自分には敷居が高いかもしれない」と感じている人に向けて、文法の基礎から丁寧に解説している点が本書の最大の特徴です。
プログラミング未経験者を主な対象にした構成
本書が明確に想定している読者は、「プログラミング自体が初めて」というJava初心者です。CやC++などの経験者向けではなく、これから初めてプログラムを書く人が、無理なく読み進められるように構成されています。
各章は、構文や機能の説明から始まり、章のまとめ、そして練習問題へと進む流れになっており、学習のリズムを作りやすい構成です。本文自体は義務教育レベルの学力があれば理解できるように書かれており、専門用語もなるべく噛み砕いた表現で説明されています。
「動かして理解する」ことを重視した入門書
本書では、多数のサンプルプログラムを通じて、実際にコードを書き、動かしながらJavaを学んでいくスタイルが採られています。変数や型、条件分岐、繰り返し、配列といった、どのプログラミング言語にも共通する基本構文を中心に、Javaの文法を一つずつ確認していきます。
特に配列については、Java特有の仕組みがCやC++とは異なるため、ここでつまずく学習者も少なくありませんが、本書ではできるだけ分かりやすく説明しようと工夫されています。「基本を徹底的に説明する」という姿勢は、Javaの土台を作るという点では大きな価値があります。
オブジェクト指向の基礎にしっかり触れられる
本書の約三分の一は、クラスやオブジェクト指向に関する説明に割かれています。Javaを学ぶうえで避けて通れないオブジェクト指向について、車を題材とした例を使いながら解説されています。
一方で、例題が似通っているために違いが分かりづらかったり、概念説明としてはやや不十分に感じられる部分もあります。オブジェクト指向そのものは単純な概念であっても、実際に設計を行う段階では別の知識が必要になるため、本書はあくまで「入口」として位置付けるのが適切でしょう。
GUI(AWT)まで含めたJavaの基礎範囲を網羅
本書では、JavaのGUIとしてAWTも取り上げられています。現在ではAWT自体を実務で使う場面は少ないものの、イベントドリブンの考え方やリスナーの概念は、他のGUI技術やスマートフォンアプリ開発にも応用できる基礎知識です。
ただし、GUIの仕組みを理解するには、ある程度のコンピュータ基礎知識が必要になるため、完全な初心者にとっては難しく感じる可能性もあります。それでも、Java言語の基本機能を一通り体験できる点は、本書の強みと言えるでしょう。
入門書の役割を割り切って理解することが大切
本書はあくまで「Java言語の入門書」であり、アルゴリズムの考え方やコンピュータの内部構造、実務で使われる高度なオブジェクト指向設計までを網羅するものではありません。入門書に万能さを求めると、どうしても物足りなさを感じてしまいますが、本書は「まず書いて動かす」ことで、プログラミングに慣れることを重視しています。
実際に、コードを写すだけで終わらせず、自分で考えてプログラムを作る姿勢があってこそ、本書の価値が発揮されます。その意味では、プログラミング脳を作るための最初の一冊として適した内容です。
まとめ
「やさしいJava 第7版」は、Javaからプログラミングを始めたい人に向けた、王道の入門書です。説明は丁寧で読みやすく、実際に手を動かしながら基礎を身に付けられる構成になっています。一方で、ある程度知識のある人にとっては物足りなく感じる部分もありますが、それは本書が初心者を主眼に置いている証拠でもあります。
本書でJavaの基礎に触れた後、別の入門書や中級書へ進むことで、より深い理解につなげやすくなるでしょう。Javaを初めて学ぶ人にとって、安心して取り組める一冊と言えます。


