サーブレット&JSPの基本|動的Webプロジェクトの作成

Eclipseで土台を整え、Tomcatで動かす。動的Webプロジェクト作成の基本をやさしく身につけよう

サーブレットとJSPを使ったWebアプリケーション開発では、最初の準備として動的Webプロジェクトを正しく作成することがとても大切です。ここがしっかりできていると、このあとのサーブレット作成、JSP作成、画面表示、サーバー起動確認までの流れがスムーズになります。

逆に、この最初の設定があいまいなままだと、ファイルの置き場所が分からなくなったり、Tomcatに追加できなかったり、サーバー起動時に思わぬエラーに出会ったりしやすくなります。特に、Eclipseでは似たような名前のビューや設定項目がいくつかあるため、最初は少し戸惑いやすいところです。

この記事では、Eclipseを使って動的Webプロジェクト study を作成し、その構成を確認し、Tomcat11_Java25 に追加して起動するところまでを、順を追って丁寧に解説していきます。あわせて、パッケージ・エクスプローラーとプロジェクト・エクスプローラーの違い、Tomcat 11 / Java 25 環境での web.xml の扱い、不要なサーバーを整理する考え方についても説明します。

ひとつひとつの操作に意味を持たせながら進めていくと、単なる手順の暗記ではなく、EclipseとTomcatの関係まできちんと理解できるようになります。

動的Webプロジェクトとは何か

動的Webプロジェクトは、サーブレットやJSPを使うWebアプリケーションを作るためのプロジェクトです。普通のJavaプロジェクトとの大きな違いは、Webアプリとして動かすための構成が最初から整えられていることです。

たとえば、Javaのクラスだけでなく、JSPファイル、HTML、CSS、画像、設定に関係するファイルなどもまとめて管理しやすいようになっています。また、Tomcatのようなアプリケーションサーバーと連携しやすい形で作られるため、ブラウザからアクセスするWebアプリケーションの開発に向いています。

サーブレット&JSPの学習では、Javaの文法だけでなく、どこに何を配置するのかというプロジェクト構成の理解も欠かせません。そのため、まずは動的Webプロジェクトの作成から始めるのが基本になります。

動的Webプロジェクトで準備される主なもの

項目内容
Javaのソースを置く場所サーブレットや補助クラスなどのJavaコードを管理する
Web関連ファイルを置く場所JSP、HTML、CSS、画像などを配置する
Webアプリ用の設定サーバー上で動かすための構成を支える
サーバーとの連携Tomcatなどの実行環境に追加しやすい

Eclipseで動的Webプロジェクトを作成する

まずはEclipseで新しい動的Webプロジェクトを作成します。操作は、ファイル → 新規 → 動的Webプロジェクト の順に進めます。

作成画面が開いたら、プロジェクト名を入力します。ここでは、学習用プロジェクト名として study を使います。半角英数で入力しておくと、今後の操作でも扱いやすくなります。日本語名のプロジェクトでも動く場合はありますが、環境によってはトラブルの原因になることがあるため、基本的には半角英数でそろえておくのが安心です。

次に、ターゲット・ランタイムを選択します。ここでは Tomcat11(Java25) を選びます。ターゲット・ランタイムは、このプロジェクトをどのサーバー環境で動かすかを表す設定です。サーブレットやJSPは単体で実行するのではなく、Tomcatのようなアプリケーションサーバー上で動作するため、この設定はとても重要です。

入力と選択が終わったら、完了 をクリックします。これで study という名前の動的WebプロジェクトがEclipse上に作成されます。

作成時に確認したい設定項目

設定項目設定内容
プロジェクト名study
プロジェクトの種類動的Webプロジェクト
ターゲット・ランタイムTomcat11(Java25)
完了方法完了 をクリック

プロジェクト名を study にする理由

今回はプロジェクト名を study に統一して進めます。学習用のプロジェクトでは、名前が分かりやすいことが大切です。study のようにシンプルな名前にしておくと、パッケージ・エクスプローラーやサーバービューで見つけやすく、複数のプロジェクトが並んだときにも混乱しにくくなります。

また、教材や手順の説明と実際の画面表示を一致させやすいので、学習効率も上がります。

図1:動的Webプロジェクト作成の基本操作

この図から分かること

この図では、動的Webプロジェクト作成の入口となる操作がひと目で分かるようになっています。特に大事なのは、単に新しいプロジェクトを作るのではなく、動的Webプロジェクト を選ぶこと、そしてプロジェクト名とターゲット・ランタイムを正しく設定することです。

つまり、最初の画面で何を選ぶかによって、その後の開発のしやすさが大きく変わります。学習のスタート地点として、ここを確実に押さえておくことが大切です。

作成したプロジェクトの構成を確認する

プロジェクトが作成できたら、次は中身の構成を確認します。Eclipseのパッケージ・エクスプローラーに study が追加されていることを確認し、三角マークなどをクリックして展開します。

展開すると、Javaに関係する部分、Webページに関係する部分、ライブラリに関係する部分などが見えてきます。表示の細かな名前や並びはEclipseのバージョンや環境で多少異なることがありますが、動的Webプロジェクトとして必要な構成が用意されているかを見ることがポイントです。

この確認をしておくと、あとでサーブレットをどこに作るのか、JSPをどこに置くのか、といった基本が理解しやすくなります。最初のうちは、ただ作るだけで終わらせず、どんな構造になっているかを一度しっかり眺めておくのがおすすめです。

構成確認で見ておきたいポイント

確認する場所チェック内容
パッケージ・エクスプローラーstudy が追加されているか
study の展開結果Webアプリ用の構成になっているか
エラー表示赤いエラーマークが付いていないか
サーバーとの対応Tomcat11(Java25) を前提に作成されているか

2種類のエクスプローラーの違いを知っておく

Eclipseには、パッケージ・エクスプローラー と プロジェクト・エクスプローラー という2種類のエクスプローラーがあります。名前が似ているので、最初は同じように見えるかもしれませんが、用途には違いがあります。

パッケージ・エクスプローラーは、Javaアプリケーション開発に向いた表示になっています。Javaのパッケージやクラスを扱いやすく、サーブレットやJSPを学ぶときにも見やすいのが特長です。そのため、この記事でもパッケージ・エクスプローラーを使う前提で説明します。

一方、プロジェクト・エクスプローラーは、もっと汎用的にファイル全体を扱うためのビューです。表示のされ方や右クリックメニューの内容が異なることがあり、教材の画面と見え方が合わず、戸惑う原因になることがあります。

もし画面がごちゃごちゃして分かりにくいと感じる場合は、プロジェクト・エクスプローラーのタブの × を押して閉じてしまっても大丈夫です。必要になったら、ウィンドウ → ビューの表示 → プロジェクト・エクスプローラー から再表示できます。

2つのエクスプローラーの違い

ビュー名特徴向いている用途
パッケージ・エクスプローラーJava向けに整理されているサーブレット、JSP、Java開発の学習
プロジェクト・エクスプローラー汎用的な表示ファイル全体を幅広く確認したいとき

図2:パッケージ・エクスプローラーでstudyの構成を確認する

この図から分かること

この図からは、study プロジェクトを作成したあとに、どこでその中身を確認するのかが分かります。とくに、パッケージ・エクスプローラーを使うことで、JavaやWebアプリに関係する構成を整理された形で見やすく確認できることが伝わります。

また、プロジェクト・エクスプローラーとは見え方が違うため、教材の説明と自分の画面が合わないときは、どちらのビューを見ているのかを確認することが大切だと分かります。

動的Webプロジェクトをサーバーへ追加する

プロジェクトを作っただけでは、まだTomcat上で動かせる状態にはなっていません。次に必要なのが、作成した study をサーバーへ追加する作業です。

Eclipseのサーバー ビューを操作していきます。サーバー ビューが画面にない場合は、「ウィンドウ」→「ビューの表示」→「サーバー」を選択すると画面に表示されます。

Eclipseのサーバー ビューを開き、Tomcat11_Java25 を選択します。

そのあと右クリックして、追加および除去 を選びます。

すると、左側に 使用可能、右側に 構成済み という一覧が表示されます。ここで、使用可能 の一覧に study が表示されているはずです。study を選択して 追加 をクリックします。

すると、study が 構成済み の側へ移動します。これで、Tomcat11_Java25 に study を登録できたことになります。「完了」をクリックします。

この操作は、Eclipseに対して、このプロジェクトをこのサーバーで動かしますと教えるための大切な設定です。プロジェクトが存在していても、サーバーに追加していなければ実行対象として扱われません。

サーバーへ追加する手順

手順内容
1サーバー ビューを開く
2Tomcat11_Java25 を選ぶ
3右クリックして 追加および除去 を選ぶ
4使用可能 の一覧から study を選ぶ
5追加 を押して 構成済み に移動する
6完了 で設定を確定する

サーバーを起動して動作準備を整える

study をサーバーへ追加したら、次はTomcatを起動します。サーバー ビューで Tomcat11_Java25 を選択し、右クリックして 開始 を選びます。もしすでに起動している場合は、再開 を使って再起動します。

サーバーが起動すると、サーバー ビューの状態表示が 起動済み になります。さらに、コンソール ビューにはTomcatの起動メッセージが表示されます。ここでエラーが出ていないかも確認しましょう。

エラーが起こった場合は、再度、右クリックして 開始 を選びます。

この確認はとても重要です。見た目では起動しているように見えても、コンソールにエラーが出ている場合、実際には正常動作していないことがあります。あとでサーブレットやJSPの動作確認がうまくいかないときは、まずサーバー状態とコンソールの内容を見る習慣を付けておくと安心です。

Tomcat11_Java25 が「起動済み, 同期済み」 になっていることを確認します。

起動後に確認したいポイント

確認場所見るポイント
サーバー ビューTomcat11_Java25 が 起動済み になっているか
コンソール ビュー起動メッセージにエラーがないか
サーバー構成study が 構成済み に入っているか

セキュリティ警告が表示されたときの対応

環境によっては、Tomcatを初めて起動したタイミングでセキュリティ警告が表示されることがあります。これは異常ではなく、OSがネットワーク通信を許可してよいか確認しているだけです。

その場合は、プライベートネットワーク に最低限チェックを付けて、アクセス許可する をクリックします。ローカル環境での学習であれば、この設定で問題ないことが多いです。

初めて表示されると少し驚くかもしれませんが、Tomcatがネットワーク通信を使う以上、こうした確認画面が出ることは珍しくありません。慌てずに内容を確認して対応しましょう。

図3:studyをTomcat11_Java25へ追加して起動する流れ

この図から分かること

この図では、study をTomcatへ追加し、さらに起動して使える状態にする一連の流れが整理されています。プロジェクトを作成しただけでは終わりではなく、サーバーへ追加して、起動し、状態とコンソールを確認するところまでがひとまとまりの作業であることが分かります。

また、セキュリティ警告が出る場合があることも把握できるため、実際の操作中に警告画面が出ても落ち着いて対処しやすくなります。

Tomcat 11 / Java 25 環境での web.xml 自動生成に注意する

2026年7月時点のEclipseでは、Tomcat11_Java25 をターゲット・ランタイムにして動的Webプロジェクトを作成したときに、本来は作成されないはずの web.xml が自動的に生成されることがあります。

web.xml は、Webアプリケーションの設定を記述するためのファイルです。以前はサーブレットの登録やURLの割り当てなどを、このファイルに書くことがよくありました。しかし最近は、@WebServlet のようなアノテーションを使って設定する方法が広く使われています。

今回の学習では、アプリケーションの設定を web.xml ではなくアノテーションで行う前提です。そのため、不要な web.xml が存在すると、設定の重複や意図しないエラーの原因になる可能性があります。

もし study プロジェクト内に web.xml が自動生成されていた場合は、そのまま放置してよいかどうかを一度確認しましょう。教材や授業の方針がアノテーション方式で統一されているなら、web.xml の存在がかえって混乱につながることがあります。

自動生成された「web.xml」を削除します。

web.xml とアノテーションの違い

設定方法特徴今回の方針
web.xmlXMLファイルに設定をまとめて書く基本的には使わない
アノテーションサーブレットクラスに直接設定を書くこちらを使う

使用しないサーバーは整理しておくと安心

サーバー ビューには、過去に登録した別バージョンのTomcatや、使わないサーバーが残っていることがあります。それ自体は必ずしも問題ではありませんが、学習中は誤って別のサーバーを選んでしまうことがあります。

とくに、study を Tomcat11_Java25 ではなく別のサーバーへ追加してしまうと、教材の説明どおりに動かない原因になります。そのため、不安な場合は使わないサーバーを削除しておくと、画面が整理されて分かりやすくなります。

削除の手順は、使わないサーバーを右クリックし、削除 を選び、確認画面で OK を押すだけです。ただし、ここで絶対に気を付けたいのは、学習で使う Tomcat11_Java25 は削除しないことです。名前をよく確認してから操作しましょう。

サーバー整理の考え方

状態対応
使うのが Tomcat11_Java25 だけそれ以外は整理してもよい
サーバーが複数並んでいて紛らわしい不要なものを削除して見やすくする
Tomcat11_Java25学習で使うため残しておく

動的Webプロジェクト作成後に見直しておきたいこと

ここまでの作業が終わったら、いくつかのポイントをあらためて見直しておくと安心です。study というプロジェクト名で作成できているか、ターゲット・ランタイムが Tomcat11(Java25) になっているか、パッケージ・エクスプローラーで構成を確認できているか、Tomcat11_Java25 に追加されているか、そしてサーバーが起動済みでコンソールにエラーが出ていないか、という点です。

この一連の確認ができていれば、サーブレットやJSPを追加する準備は整っています。ここから先の学習では、study の中にサーブレットクラスやJSPファイルを作成し、ブラウザで実行結果を確認していく流れへ進みやすくなります。最初の土台をきちんと整えておくことが、安定した開発と理解の近道になります。