Java道|Java学習の土台をつくる PowerShell入門

PowerShellは、Java修行を始めるための最初の刀。
作業場所を整え、正しく移動し、プログラムを動かす力を身につけよう。

Javaの学習を始めると、どうしても最初は プログラムの書き方 や 文法 に目が向きやすくなります。

たとえば、System.out.println を使って文字を表示したり、変数を作ったり、if文やfor文を書いたりする部分です。

もちろん、これらはJava学習の中心です。
しかし、Javaのプログラムは、書くだけでは終わりません。

Javaでは、次のような流れを何度もくり返します。

手順内容たとえるなら
1ソースファイルを作る技の型を書き記す
2コンパイルする型を実戦で使える形に鍛える
3実行する技を放って結果を確認する

この流れを進めるために必要になるのが Windows PowerShell です。
PowerShellは、Java学習における 道場の入口 のような存在です。ここで作業場所を整え、ファイルの場所を把握し、正しい場所で命令を実行することで、Javaのプログラムを自分の手で動かせるようになります。

鬼と戦う剣士が、刀の握り方や足運びを知らなければ技を出せないように、Javaを学ぶ人も、PowerShellでの基本操作を知らないと、せっかく書いたプログラムをうまく動かせません。

PowerShellの操作は、最初は少し地味に見えるかもしれません。
でも、現在のディレクトリを確認する、目的の場所へ移動する、学習用フォルダを作る、といった基本操作は、Java学習を安定させる大切な土台になります。

Windows PowerShellとは何か

Windows PowerShellは、キーボードから命令を入力してWindowsを操作するためのツールです。

普段のWindows操作では、エクスプローラーを開いて、フォルダをクリックしたり、ファイルをダブルクリックしたりします。
一方、PowerShellでは、文字で命令を入力して操作します。

たとえば、次のようなことができます。

PowerShellでできることJava学習での意味
今いるフォルダを確認するJavaファイルがある場所を把握する
別のフォルダへ移動する作業したい場所へ移る
新しいフォルダを作る章ごと・課題ごとに整理する
プログラムを実行するJavaの動作確認をする

鬼滅風にたとえるなら、PowerShellは 司令を出すための操作盤 です。
剣士が「この道場へ行く」「この箱を作る」「この技を試す」と命じるように、PowerShellでは cd や mkdir などの命令を入力して、作業場所を整えていきます。

Java学習でPowerShellが必要になる理由

Javaのプログラムは、ファイルを作って終わりではありません。

Javaでは、ソースファイルを作成したあと、コンパイルして、実行します。

手順内容PowerShellとの関係
ソースファイル作成Javaのコードを書く保存場所を決める
コンパイルソースファイルを実行しやすい形に変換する正しい場所で命令を実行する
実行プログラムを動かす結果を画面で確認する

ここで大切なのが、今どのディレクトリで作業しているか です。

Javaファイルが C:\Java\01 にあるのに、別の場所でコンパイルしようとすると、ファイルが見つからないという問題が起こります。

これは、剣士が修行場を間違えて、違う山に技を撃っているようなものです。
技そのものが間違っていなくても、立っている場所が違えば、目的の相手には届きません。

PowerShellを使えるようになると、次のような力が身につきます。

身につく力Java学習で役立つ場面
作業場所を確認する力Javaファイルの場所を見失わない
ディレクトリを移動する力コンパイルする場所へ正しく移動できる
ディレクトリを作る力学習内容を整理できる
命令を実行する力javac や java を使えるようになる

PowerShellは、Java学習の補助道具ではなく、学習を進めるための 作業机 のような存在です。
作業机が整っていると勉強しやすいように、PowerShellの基本がわかっていると、Javaの文法やプログラムの動きに集中しやすくなります。

Windows PowerShellを起動する

Windows 11では、PowerShellは ターミナル から使うことが多いです。

基本的な起動方法は次の通りです。

手順操作
1スタートボタンを右クリックする
2メニューから ターミナル を選択する
3PowerShellの画面が開いていることを確認する

起動すると、黒や白の画面に文字が表示されます。
ここが、これから命令を入力する場所です。

最初は少し難しそうに見えるかもしれません。
けれども、Java学習の初期段階で使う命令はそれほど多くありません。

まず覚えたいのは、次のような基本操作です。

命令役割
cdディレクトリを移動する
mkdir新しいディレクトリを作る
cd ..1つ上の階層へ戻る
cd \ルートディレクトリへ移動する

この4つだけでも、Java学習用の作業場所を作り、移動し、整理する基本ができます。

現在のディレクトリを理解しよう

PowerShellを開くと、次のような表示が出ることがあります。

PS C:\Users\ユーザー名>

これは、今どこで作業しているのかを表しています。

表示意味
PSPowerShellを使っていることを示す
C:\Users\ユーザー名現在のディレクトリ
>ここに命令を入力できる印

ここで特に大切なのが、C:\Users\ユーザー名 の部分です。
これは、今いる場所を表しています。

Windowsでは フォルダ と呼ぶものを、PowerShellでは ディレクトリ と呼ぶことが多いです。
細かく言えば使われ方に違いはありますが、Java学習の最初では、ほぼ同じものとして考えて大丈夫です。

鬼滅風にたとえるなら、現在のディレクトリは、剣士が今立っている修行場です。

状態たとえ
C:\Users\ユーザー名 にいる自分の部屋にいる
C:\ にいる大きな入口にいる
C:\Java にいるJava修行専用の道場にいる
C:\Java\01 にいる第1章の修行部屋にいる

Javaでは、今いる場所によって、ファイルを作る場所や命令を実行する場所が変わります。
そのため、現在のディレクトリを意識することはとても重要です。

ルートディレクトリに移動する

Java学習用の場所を作るために、まず Cドライブ直下へ移動します。
この Cドライブ直下のことを、ルートディレクトリと呼びます。

使う命令は次の通りです。

cd \

実行例です。

PS C:\Users\ユーザー名> cd \
PS C:\>

移動前は C:\Users\ユーザー名 にいました。
移動後は C:\ になっています。

これは、Cドライブの一番上の場所に移動したという意味です。

コマンドの部分意味
cdディレクトリを移動する
\ルートディレクトリを表す

つまり、cd \ は Cドライブの一番上へ移動する命令 です。

鬼滅風に言えば、いったん本部の入口に戻るようなものです。
そこから Java という専用の修行場を作っていきます。

Java学習用ディレクトリを作成する

次に、Javaのプログラムを保存するためのディレクトリを作ります。

使う命令は mkdir です。

mkdir Java

実行例です。

PS C:\> mkdir Java

これで、C:\ の下に Java というディレクトリが作られます。

命令意味
mkdir新しいディレクトリを作る
Java作成するディレクトリ名

mkdir は make directory の略です。
つまり、新しいディレクトリを作る命令です。

Java学習では、C:\Java のように専用の場所を作っておくと、とても管理しやすくなります。

たとえば、デスクトップやダウンロードフォルダにJavaファイルをばらばらに保存すると、あとでどこに置いたのかわからなくなります。
それに対して、C:\Java にまとめておけば、学習用のファイルを見つけやすくなります。

これは、剣士が刀や日輪刀の手入れ道具を決まった場所に置いておくのと同じです。
必要なときにすぐ取り出せるように、最初から整理しておくことが大切です。

Javaディレクトリに移動する

Javaディレクトリを作ったら、その中へ移動します。

cd \Java

実行例です。

PS C:\> cd \Java
PS C:\Java>

これで、現在のディレクトリが C:\Java になりました。

表示状態
PS C:>Cドライブ直下にいる
PS C:\Java>Javaディレクトリの中にいる

ここから先は、Java学習用のファイルやサブディレクトリを、この C:\Java の中に作っていきます。

この流れは、Java学習で何度も使う基本動作です。

流れ内容
1作業場所へ移動する
2必要なディレクトリを作る
3その中でファイルを管理する

PowerShellの操作は、一見すると地味です。
しかし、正しい場所で作業する習慣がつくと、コンパイルや実行で迷いにくくなります。

1つ上の階層に移動する

ディレクトリの中に入ったあとで、1つ上に戻りたいことがあります。

そのときは、次の命令を使います。

cd ..

実行例です。

PS C:\Java> cd ..
PS C:\>

C:\Java から、1つ上の C:\ に戻りました。

コマンド意味
cd ..1つ上のディレクトリへ移動する
..親ディレクトリを表す

.. は、親ディレクトリを表します。

鬼滅風に言えば、修行部屋から道場の入口に戻るような感覚です。
別の修行部屋へ行きたいときは、いったん上の階層に戻ることがあります。

たとえば、C:\Java\01 で第1章の練習をしたあと、C:\Java\02 に移動したい場合、上の階層へ戻ってから別のディレクトリへ移動することがあります。

サブディレクトリを作成して整理する

Javaの学習が進むと、ファイル数がどんどん増えていきます。

すべてのファイルを C:\Java に直接置いてしまうと、どのファイルがどの章の内容なのか、わかりにくくなります。

そこで、章ごとや課題ごとにサブディレクトリを作ります。

たとえば、第1章用のディレクトリを作るなら、次のように操作します。

cd \Java
mkdir 01

実行例です。

PS C:\> cd \Java
PS C:\Java> mkdir 01

これで、C:\Java の中に 01 というディレクトリが作られます。

ディレクトリ用途の例
C:\Java\01第1章の練習問題
C:\Java\02第2章の練習問題
C:\Java\03第3章の練習問題
・・・第○章の練習問題

このように整理しておくと、復習するときにも便利です。
第1章の内容を見直したいときは C:\Java\01 を見ればよく、第2章の内容を見直したいときは C:\Java\02 を見ればよくなります。

鬼滅風にたとえるなら、全集中の型ごとに修行部屋を分けるようなものです。

整理方法たとえ
C:\JavaJava修行の本部
C:\Java\01第一の型の修行部屋
C:\Java\02第二の型の修行部屋
C:\Java\03第三の型の修行部屋
・・・第○の型の修行部屋

学習ファイルを整理する習慣は、あとから大きな助けになります。

一気に目的のディレクトリへ移動する

PowerShellでは、途中の階層を1つずつ移動しなくても、目的のディレクトリへ一気に移動できます。

たとえば、C:\ から C:\Java\01 に移動したい場合は、次のように入力します。

cd \Java\01

実行例です。

PS C:\> cd \Java\01
PS C:\Java\01>

このように、\ でディレクトリ名を区切ることで、深い場所まで一気に移動できます。

パス意味
C:\Cドライブのルート
C:\JavaCドライブの下のJavaディレクトリ
C:\Java\01Javaディレクトリの下の01ディレクトリ

ここで大切なのが パス の考え方です。

パスとは、目的の場所までの道順です。
鬼滅風に言えば、修行場までの地図です。

PowerShellの考え方鬼滅風のたとえ
パス修行場までの道順
\道の区切り
cd \Java\01第1章の修行部屋へ一気に移動する

また、cd のあとには半角スペースを入れてからディレクトリ名を書きます。

cd \Java\01

cd と \Java\01 の間にスペースがある点に注意しましょう。

PowerShellでの操作の流れ

Java学習でよく使うPowerShellの流れを整理すると、次のようになります。

手順入力例目的
1cd \Cドライブ直下へ移動する
2mkdir JavaJava学習用ディレクトリを作る
3cd \JavaJavaディレクトリへ移動する
4mkdir 01第1章用のサブディレクトリを作る
5cd \Java\01作業したい場所へ一気に移動する
6cd ..1つ上の階層へ戻る

この流れを覚えると、PowerShellでのフォルダ管理の基本がかなり見えてきます。

特に重要なのは、コマンドとディレクトリ構造をセットで理解することです。

入力する命令起こること
mkdir JavaC:\ の下に Java が作られる
cd \JavaJavaディレクトリへ移動する
mkdir 01C:\Java の下に 01 が作られる
cd \Java\01C:\Java\01 へ移動する

今どこにいて、何を作って、どこへ移動したのか。
この感覚がつかめると、Javaのコンパイルや実行でも迷いにくくなります。

図:PowerShellでJava用のフォルダを作る流れ

↓クリックすると拡大表示されます。

この図から分かるのは、PowerShellの命令とフォルダ構造の変化が対応していることです。
mkdir Java によって C:\ の下に Java が作られ、mkdir 01 によって C:\Java の下に 01 が作られます。

cd は場所を移動する命令であり、mkdir は新しい作業場所を作る命令だということです。
Java学習では C:\Java\01 のように作業場所を整理しておくと、ソースファイルの保存、コンパイル、実行が進めやすくなります。

Java言語開発環境の使いかたにつながる基礎

PowerShellの基本操作は、単なるフォルダ操作の練習ではありません。
これは、Javaのプログラムを作成し、コンパイルし、実行するための準備です。

Javaの基本的な作業の流れは次の通りです。

順番内容
1ソースファイルを作成する
2コンパイルを実行する
3プログラムを実行する

このとき、どのディレクトリにいるかがとても重要です。

たとえば、Sample.java が C:\Java\01 にあるなら、基本的には C:\Java\01 に移動してからコンパイルや実行を行います。

cd \Java\01

その場所へ移動してから、Javaのコンパイルや実行を進めます。

PowerShellの操作に慣れていないと、次のようなつまずきが起こりやすくなります。

つまずき原因
ファイルが見つからない違うディレクトリで作業している
コンパイルできないJavaファイルの場所へ移動していない
実行できないクラスファイルの場所を把握できていない
保存場所がわからない作業用ディレクトリを整理していない

逆に、PowerShellの基礎が身についていれば、Java学習はかなりスムーズになります。

自分で作業場所を整える。
自分で目的の場所へ移動する。
自分で命令を入力してプログラムを動かす。

この一連の流れを理解することは、Javaの文法を学ぶことと同じくらい大切です。

これからの学習で意識したいこと

PowerShellの学習では、最初からたくさんの命令を覚える必要はありません。

まずは、次のことを意識できれば十分です。

意識したいこと理由
今どこにいるかを確認する現在のディレクトリが作業場所になるから
作業用ディレクトリを整理するプログラムが増えても管理しやすいから
必要な場所へ正しく移動するコンパイルや実行を正しく行うため
章ごとに保存場所を分ける復習や修正がしやすくなるから

PowerShellは、Java学習を支える入口です。

最初のうちは、命令を入力することに少し慣れが必要です。
でも、何度かくり返すうちに、cd \Java\01 のような移動操作や、mkdir 01 のような作成操作は自然に使えるようになります。

鬼滅風に言えば、PowerShellの基本操作は、全集中の呼吸の基礎訓練です。
派手な大技ではありませんが、ここが安定しているからこそ、Javaのコンパイルや実行という実戦に進めます。

Javaの文法を学ぶ前に、まずは作業場所を整える。
自分の修行場を作り、そこへ正しく移動し、プログラムを動かす準備をする。

その第一歩が、PowerShell入門です。