
【Python入門】10章のまとめ
ここでは「10章のまとめ」として、ライブラリやモジュールの利用方法、そしてライブラリ管理ツールである pip
と conda
の使い方についておさらいします。Pythonの機能を大きく拡張するためにはライブラリの活用が重要です。これらの基本を押さえると、開発の幅が一気に広がるでしょう。

1.ライブラリとモジュールの基本
1.1.ライブラリのインポート
Pythonのライブラリやモジュールを使うには、import
文を用いて読み込みます。
import math
print(math.sqrt(9)) # 3.0
ライブラリ内の特定の機能だけを利用したいときは from ... import ...
を使います。
from math import pi
print(pi) # 3.141592653589793
1.2.モジュールの利用方法
自作の .py
ファイルも「モジュール」としてインポート可能です。
mymodule.py
┗ def greet(name):
print(f"Hello, {name}!")
import mymodule
mymodule.greet("Alice") # "Hello, Alice!"
複数の関連するモジュールをひとまとめにしたものを「パッケージ」と呼び、ディレクトリ構成で管理します。
インポート先で同名が衝突しないよう、名前空間や別名(import module as m
)を活用すると便利です。
2.Python標準ライブラリの利用
2.1.簡単なライブラリの利用
- Pythonには標準で多種多様なライブラリが含まれ、追加インストールなしで利用できます。
例:random
(乱数生成),datetime
(日時操作),math
(数学関数),os
(ファイルやディレクトリ操作) など - 仕事や学習でよく使う場面があるので、まずは代表的なモジュールの機能を整理し、必要に応じて公式ドキュメントを参照しましょう。
2.2.時刻を取得するtimeモジュール
time
モジュールは主に「現在の時刻取得」「スリープ処理」などを提供します。
import time
current_time = time.time() # エポック(1970年1月1日)からの経過秒数
local_time = time.localtime() # 構造体形式で時刻を取得
formatted = time.strftime('%Y-%m-%d %H:%M:%S', local_time)
print(formatted)
time.sleep(2) # 2秒間停止
時刻を人間に読みやすい形式に変換する strftime
、機械的に扱う形式のタイムスタンプを扱う time()
など、よく使う関数を把握しておくと役立ちます。
3.外部ライブラリの導入
3.1.pipコマンドを使用したライブラリのインストール
pip
はPythonの公式パッケージリポジトリ(PyPI)からライブラリを取得・インストールする標準的な手段です。
代表的な使い方
pip install ライブラリ名 # インストール
pip install ライブラリ名==バージョン指定
pip uninstall ライブラリ名 # アンインストール
pip list # インストール済みのライブラリ一覧
pip show ライブラリ名 # ライブラリの情報を表示
仮想環境(venv など)を活用すると、プロジェクトごとにライブラリを管理でき、環境の衝突を避けられます。
3.2.Anacondaで使うcondaコマンド
conda
はAnacondaやMinicondaに同梱されるパッケージ管理ツールで、Pythonだけでなく、さまざまな言語やツールを管理できます。
代表的な使い方
conda install ライブラリ名
conda remove ライブラリ名
conda update ライブラリ名
conda list
conda info
データサイエンス分野ではAnacondaを利用するケースが多いため、conda
コマンドによるライブラリ管理を覚えておくと便利です。
まとめ
10章では、Pythonでライブラリ(モジュール)を活用するための基本的なインポート方法や、標準ライブラリ・外部ライブラリの利用について解説しました。標準ライブラリや外部ライブラリを適切に選択・組み合わせることで、わずかなコードで強力な機能を実装できます。さらに、pip
や conda
を使ったパッケージ管理の方法を習得することで、開発効率と環境整備が飛躍的に向上します。
次の11章では、ファイルの読み書きについて詳しく取り上げます。ファイル操作の基礎を押さえ、より実践的なアプリケーション開発へとつなげていきましょう。