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【Python入門】変数と代入文

変数と代入文

 Pythonプログラミングにおいて、変数代入文は基本中の基本です。変数を適切に活用することで、データを効率的に管理し、コードの可読性と再利用性を高めることができます。ここでは、変数の概念、代入文の基本的な使い方、複数の変数への代入方法、そして変数の再代入について詳しく解説します。

プログラムのダウンロード

 「ダウンロード」から、JupyterLab で実行できるサンプルプログラムがダウンロードできます。ファイルは、ESET Endpoint Securityでウイルスチェックをしておりますが、ダウンロードとプログラムの実行は自己責任でお願いいたします。

1.変数とは

 変数とは、値を保存しておくための名前が付いた領域のことです。プログラム内でデータを扱う際に、変数を使用することでそのデータにアクセスしやすくなります。Pythonの変数は、他のプログラミング言語と異なり、型の宣言が不要であり、柔軟に型を変更することが可能です。

ポイント

  • 変数は値に名前をバインド(結び付け)する機能を持つ。
  • 型の宣言が不要で、動的に型を変更できる。

2.代入文の基本

 Pythonで変数を作成するには、代入文を使用します。代入文とは、変数に値を割り当てる文のことで、=(イコール)を使って記述します。

【構文】

変数名 = 式

サンプルプログラム

# 変数xに整数を代入
x = 100
print(x)  # 出力: 100

# 変数yに文字列を代入
y = "Python学習"
print(y)  # 出力: Python学習

実行結果

100
Python学習

ポイント

  • 変数名にはアルファベット、数字、アンダースコアを使用可能(数字で始めない)。
  • PEP8では、=の両側に空白を1個ずつ入れることが推奨されています。

3.複数の変数への代入

 Pythonでは、複数の変数に対して同時に値を代入することができます。これにより、コードをより簡潔に記述することが可能です。

3.1. 同じ値を複数の変数に代入

同じ値を複数の変数に代入する場合、以下のように書くことができます。

サンプルプログラム

# 変数a、b、cに同じ値を代入
a = b = c = 50
print(a)  # 出力: 50
print(b)  # 出力: 50
print(c)  # 出力: 50

実行結果

50
50
50

3.2. 異なる値を複数の変数に代入

異なる値を複数の変数に代入する場合、カンマ(,)で区切って一度に代入することができます。

サンプルプログラム

# 変数m、n、oに異なる値を代入
m, n, o = 10, 20.5, "Hello"
print(m)  # 出力: 10
print(n)  # 出力: 20.5
print(o)  # 出力: Hello

実行結果

10
20.5
Hello

ポイント

  • 複数の変数に対して同時に代入することで、コードが簡潔になる。
  • 変数と値の数は一致させる必要がある。

4.変数の再代入

 Pythonの変数は、一度代入した後でも別の値を再代入することができます。これにより、変数の内容を動的に変更することが可能です。

サンプルプログラム

# 変数pに初期値を代入
p = "初期値"
print(p)  # 出力: 初期値

# 変数pに新しい値を再代入
p = 3.14
print(p)  # 出力: 3.14

# さらに別の値を再代入
p = True
print(p)  # 出力: True

実行結果

初期値
3.14
True

ポイント

  • 変数の型は固定されておらず、再代入によって自由に変更可能。
  • 変数の再利用性が高まり、メモリの効率的な使用が可能になる。

5.変数名の命名規則

 変数名を適切に命名することは、コードの可読性を高める上で重要です。以下に、Pythonでの変数名の命名規則を示します。

規則説明
文字種アルファベット(大文字・小文字)、数字、アンダースコア(_)のみ使用。variable1, total_sum
先頭文字数字で始めてはいけない。1variable は無効
大文字・小文字の区別Varvar は異なる変数として扱われる。Countcount
意味のある名前変数の内容を理解しやすい名前を付ける。age, price, user_name

ポイント

  • 読みやすく、意味のある名前を付けることで、コードの理解が容易になる。
  • PEP8に従い、変数名は小文字とアンダースコアを用いたスネークケースを推奨。

まとめ

ここでは、Pythonにおける変数と代入文の基本について学びました。

  • 変数の概念:値に名前を付けて管理するための機能。
  • 代入文の基本=を用いて変数に値を割り当てる方法。
  • 複数の変数への代入:同じ値や異なる値を一度に代入する方法。
  • 変数の再代入:変数に新しい値を再度代入して内容を変更する方法。
  • 変数名の命名規則:可読性を高めるための適切な命名方法。

 これらの基本を理解することで、Pythonプログラム内で効率的にデータを管理し、柔軟なコーディングが可能になります。次のコンテンツでは、変数は値のオブジェクトを参照していることについて詳しく解説していきます。ぜひ、実際にコードを書きながら、変数と代入文の使い方を体験してみてください。