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【Python入門】比較演算子を使った比較

Pythonの比較演算子を使った比較

 Pythonプログラミングにおいて、比較演算子は、二つ以上の値の大小や等価性を判定し、その結果を真偽値(bool型:TrueまたはFalse)として返します。比較演算は条件分岐、ループ、論理演算など、多くの場面で用いられ、コードの流れや判断を制御する重要な役割を持っています。ここでは、数値や文字列を比較する方法と、比較演算子の使い方について、基本例と表を使って詳しく解説します。

プログラムのダウンロード

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1.比較演算子の種類と基本構文

 Pythonには、等価や大小比較を行うための多様な演算子が用意されています。以下の表は、主要な比較演算子とその意味、使用例をまとめたものです。

演算子構文例条件がTrueになるケース
==A == BAとBが等しい
!=A != BAとBが等しくない
<A < BAがBよりも小さい
>A > BAがBよりも大きい
<=A <= BAがB以下(Bより小さいか等しい)
>=A >= BAがB以上(Bより大きいか等しい)

基本構文

 値や変数を比較する場合、通常は「値1 演算子 値2」という形で記述します。例えば、10 < 20 であれば True が返され、10 >= 20 であれば False が返されます。

2.数値と文字列の比較

数値の比較

 比較演算子を使って数値を比較すると、その結果は直感に反することはありません。以下は、別の数値を用いた例です。

print(25 == 30)   # False
print(25 != 30)   # True
print(25 < 30)    # True
print(25 > 30)    # False
print(25 <= 30)   # True
print(25 >= 30)   # False

文字列の比較

 文字列の比較は、辞書順(アルファベット順または Unicode 順)に基づいて行われます。小文字・大文字や記号の順序にも注意が必要ですが、ここではシンプルな例を示します。

print('みかん' == 'りんご')   # False
print('みかん' != 'りんご')   # True
print('みかん' < 'りんご')    # True (Unicode 順に"み"は"り"より小さい)
print('みかん' > 'りんご')    # False

3.比較結果は真偽値で返る

 比較演算子の結果は、必ず TrueFalse のいずれかの真偽値となります。これにより、条件式などで利用でき、プログラムの制御に大きく役立ちます。たとえば、以下は変数の比較結果をそのまま出力する例です。

a = 25
b = 30
print(a < b)   # True

4.PEP8 による書き方のルール

 標準コーディングスタイルのPEP8では、比較演算子の両側には空白を1個ずつ入れることが推奨されています。たとえば、以下のように記述すると読みやすくなります。

print(a < b)   # PEP8準拠: 'a', '<', 'b' の間に空白がある

 ただし、プログラムの実行には影響しないため、必ずしも空白を入れる必要はありませんが、コードの可読性向上のために推奨されています。

まとめ

ここでは、Pythonで比較演算子を使って値を比較する基本概念について学びました。

  • 比較演算子の種類==, !=, <, >, <=, >= などがあり、値を比較して真偽値を返します。
  • 数値と文字列の比較:数値は数値として、文字列は辞書順に比較されます。
  • 結果としての真偽値:比較の結果は、必ず True または False で返され、条件分岐などに利用されます。
  • PEP8の規則:比較演算子の両側に空白を挿入することで、コードの可読性を向上させます。

 次のコンテンツでは、ブール演算子を使った複雑な比較について解説していきます。ぜひ実際にコードを書いて、さまざまな比較演算子の動作を確認してみてください。