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【Python入門】開発環境:Pythonのインストール

開発環境:Pythonのインストール
ここでは、Pythonの開発環境、特にPythonのインストール方法について、順を追って解説していきます。ここでは、処理系や開発環境の基本概念、CPythonの特徴、各プラットフォーム(Windows、macOS、Linux)へのインストール手順や動作確認について、具体的な手順とポイントを表や説明文で整理していきます。
まず最初に、プログラミング言語を実行するための仕組みである「処理系」について理解しましょう。処理系とは、プログラムを実行するためのソフトウェア全般のことで、Pythonの場合は開発環境の一環として提供されます。開発環境には、好みに合わせてさまざまな選択肢があり、その中でも最も基本的な実装であるCPythonがおすすめです。なお、CPythonはC言語で実装され、Pythonのリファレンス実装として他の処理系のモデルにもなっています。

以下の表は、PythonとCPythonの違いや特徴をまとめたものです。
項目 | 内容 |
---|---|
Python | プログラミング言語そのもの。仕様や標準ライブラリの定義など、言語全体の概念を指します。 |
CPython | Pythonの基本実装。C言語で実装され、リファレンス実装として、最新機能がいち早く反映されます。 |
Python Software Foundation (PSF) | Pythonの開発や知的財産を管理する非営利団体。公式WebサイトからCPythonのインストーラを入手できます。 |
1.Pythonの入手方法
Pythonの実装の中でも最も基本となるのがCPythonです。CPythonは、PSFが運営する公式Webサイトのダウンロードページ(URL:https://www.python.org/downloads/)から入手できます。最新のPython 3.x系の機能を試してみたい方は、公式インストーラを利用してCPythonをインストールすることをおすすめします。
URL:https://www.python.org/downloads/

2.Windowsへのインストール
Windows環境でPythonをインストールする場合、公式Webサイトから提供されるインストーラを利用します。インストーラを実行すると、以下のような画面が表示されます。
起動画面では以下のオプションをチェックします。

- 「Use admin privileges when installing py.exe」
→ 管理者権限でpy.exe(Python Launcher)をインストールすることで、システム全体でPythonを扱いやすくなります。 - 「Add python.exe to PATH」
→ このオプションにより、コマンドプロンプトやPowerShellから「python」と入力するだけでPythonが起動するため、環境変数の設定が自動で行われ、使いやすさが向上します。
その後、「Install Now」をクリックし、ユーザーアカウント制御(UAC)のダイアログが表示された場合は「はい」をクリックします。

インストールが完了したら、「Close」ボタンをクリックします。

次に、ターミナル(Windows PowerShell)を起動し、次のコマンドで動作確認を行いましょう。

- コマンド:
python -V
- 動作確認: 「Python 3.x.○…」と表示されればインストール成功です。
3.macOSへのインストール
macOSでも、公式サイトからダウンロードできるインストーラを使用してCPythonをインストールします。インストーラの指示に従いインストールが完了したら、ターミナルを起動して動作確認を行います。
注意点として、macOSには元々Python 2がインストールされている場合があるため、最新版Python 3を利用するには以下のコマンドを使用します。
- コマンド:
python3 -V
- 動作確認: 「Python 3.x.○…」と表示されれば成功です。
4.Linuxへのインストール
多くのLinuxディストリビューションでは、Python 3が既にインストールされていることもあります。まず、ターミナルを開いて以下のコマンドを実行し、インストール状況を確認しましょう。
- コマンド:
python3 -V
またはpython -V
- 結果が「Python 3.x.○…」であれば、そのまま使用可能です。
もしインストールされていない場合や、バージョンが古い場合は、Linuxディストリビューションに応じた方法でインストールします。たとえば、Ubuntuの場合は以下の手順です。
sudo apt update
でリポジトリの一覧を更新sudo apt upgrade -y
で既存パッケージを更新sudo apt install -y python3
もしくはバージョン指定してsudo apt install -y python3.x
を実行python3 -V
(またはpython3.x -V
)で動作確認し、インストールが成功していることを確認
まとめ
以上のように、Pythonの開発環境は、まず処理系の概念とCPythonの基本的な役割を理解するところから始まります。Windows、macOS、Linuxそれぞれの環境に応じたインストール手順があり、公式Webサイトから容易に最新のCPythonを入手することが可能です。各プラットフォームでのインストール時に注意すべきチェックポイント(例えば、PATHへの追加や管理者権限の利用など)を守ることで、インストール後すぐにターミナルやコマンドプロンプトからPythonを実行できる環境が整います。これにより、自分好みの開発環境を簡単に構築し、Pythonプログラミングをスムーズに開始することができるのです。