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【Python入門】プログラムは上から下に実行する

プログラムは上から下に実行する
Pythonをはじめとするほとんどのプログラミング言語では、ソースコードは記述された順番どおりに上から下に向かって実行されます。つまり、コードの先頭に書いた処理がまず実行され、その次の行の処理、という順番でプログラム全体の動作が決まります。以下では、実行順序の基本概念、プログラムを構成する文(ステートメント)の役割、そしてコードの書き方や可読性について順を追って解説します。

プログラムのダウンロード
「ダウンロード」から、JupyterLab で実行できるサンプルプログラムがダウンロードできます。ファイルは、ESET Endpoint Securityでウイルスチェックをしておりますが、ダウンロードとプログラムの実行は自己責任でお願いいたします。
1.実行順序の基本
Pythonのプログラムは、ソースコードの上から下に向かって順番に1行ずつ実行されます。例えば、次のコードでは、各行に書かれた print
関数が1行ずつ実行され、数字「1」から「5」までがその順番で表示されます。
print(1)
print(2)
print(3)
print(4)
print(5)
実行結果
1
2
3
4
5
この通り、コードは上から下へ、順に処理されるため、プログラムの動作はコードの並び順に大きく依存します。
2.プログラムを構成する文(ステートメント)
プログラムは「文」と呼ばれる基本単位から構成されています。各文は、Pythonが実行する個々の命令です。文の例としては、以下のような種類があります。
文の種類 | 説明 |
---|---|
式文 | 値の計算や関数呼び出しなど、評価結果を得るための文。 |
代入文 | 変数に値を代入する文。 |
制御文 | if文やfor文など、プログラムの流れを制御するための文。 |
各文が記述された順番どおりに実行されることで、プログラム全体の処理が決まっていきます。
3.単純文と複合文
Pythonには、1行で完結する「単純文」と、複数行にわたる「複合文」が存在します。
- 単純文:
例として、print(1)
やprint(2)
のような1行で完結する命令が挙げられます。通常、単純文は各行に1つずつ記述するのが基本です。 - 複合文:
if文やfor文など、複数の文をまとめる場合には、コードブロックとして記述する複合文を使います。複合文は内部にさらに複数の文を含み、全体として1つのまとまりとなります。
4.セミコロンを使った1行での複数文記述
Pythonでは、セミコロン(;
)を使用することで、1行に複数の単純文をまとめて記述することが可能です。例えば、先ほどの例を1行にまとめると次のようになります。
print(1); print(2); print(3); print(4); print(5)
実行結果
1
2
3
4
5
ただし、セミコロンを使って1行に複数の文を書く方法は、コードの可読性が低下するため、特別な理由がない限り、各文を個別の行に記述することが推奨されます。
5.コーディングスタイルと実行順序の重要性
プログラムが上から下に実行されるという性質は、コードの正しい並び順が意図した処理の流れを実現するために非常に重要です。読みやすく保守しやすいコードを書くための一般的なガイドラインは以下の通りです。
項目 | 推奨事項 |
---|---|
実行順序 | ソースコードは上から下に順番に実行される。 |
各文の記述 | 単純文は各行に1つずつ記述し、実行の流れを明確にする。 |
セミコロンの使用 | 複数文を1行に記述可能だが、可読性を優先して通常は使用しない。 |
まとめ
ここでは、プログラムが上から下に実行される基本的な仕組みについて解説しました。コードは先頭から順に1行ずつ実行され、各文(ステートメント)の記述順序がプログラム全体の動作を決定します。また、単純文と複合文の違いや、セミコロンを使用した1行複数文記述の方法についても説明しました。正しい実行順序と適切なコーディングスタイルを心がけることで、意図通りの動作をする読みやすいプログラムを書くことができるようになります。実際にJyupiterLabなどでコードを実行して、プログラムの実行順序を体感してみましょう。