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【Python入門】JupyterLabでPythonを実行する①

JupyterLabでPythonを実行する①
ここでは、JupyterLabを使ってPythonの対話型プログラミングを実行する方法について、順を追って分かりやすく解説します。JupyterLabは、対話モードと同様に実行結果をすぐに確認できる環境でありながら、複数行のプログラムやノートブック形式での作業に適しているため、学習や簡単な実験に最適です。

1.JupyterLabの概要と起動方法
JupyterLabは、Pythonのコードをセル単位で記述・実行できる対話型開発環境です。対話モードに比べ、長いプログラムや複数ファイルの管理にも適しており、操作性を高めるためのGUIが備わっています。以下の表は、従来のPython対話モード(ターミナル)とJupyterLabの主な違いをまとめています。
特徴 | Python対話モード(ターミナル) | JupyterLab |
---|---|---|
実行方法 | コマンドラインで1行~数行のコードを入力・実行 | ノートブック形式でセル単位にコードを記述・実行 |
表示形式 | テキストのみの表示、プロンプト「>>>」 | Webブラウザ上にファイルやフォルダの一覧、エディタ、セルが表示される。 |
複数行のプログラムの管理 | 複数行となるとコマンド入力が煩雑になる。 | 複数のセルに分割でき、複数行のコードも見やすく管理できる。 |
実行結果の確認 | 実行結果がテキストとして表示される。 | 実行セルの直下に結果が表示され、次のセルも自動生成される。 |
JupyterLabの起動方法
Anaconda Navigatorで①の「Environments」からJupyterLabがインストールされている②の仮想環境を選択します。ここでは、「py312」を選択しています。

①の「Home」から、JupyterLabの②の「Launch」ボタンをクリックすることで起動できます。

サーバが立ち上がると、既定のカレントディレクトリ内にあるファイルやフォルダの一覧がWebブラウザ上に表示されるので、そこでノートブックを作成して作業を開始します。

2.新しいノートブックの作成
JupyterLabでは、作業対象となる「ノートブック」ファイルにコードを記述します。新しいノートブックを作成する手順は次の通りです。
2.1. 画面上部の「File」メニューから「New」を選択し、「Notebook」をクリックします。

2.2. 表示される「Select Kernel」で「Python (ipykernel)」が選択された状態になっていることを確認し、「Select」ボタンをクリックします。

2.3. 新しいノートブックが開くと、左側に「[ ]:」という形でコードセルが表示され、ここにプログラムを入力できる状態になります。

3.コードの実行とセル操作
JupyterLabの魅力のひとつは、セル単位でコードを実行できる点です。以下の手順で、簡単なコードの入力と実行を体験してみましょう。
3.1. ノートブック内の最初のセルに、たとえば print(3/2-1)
と入力します。
3.2. キーボードの Shift + Enter キーを押すと、そのセルが実行され、下部に実行結果(例:0.5
)が表示され、さらに新しいセルが自動で作成されます。

セルの実行方法には以下の2種類があり、用途に応じて使い分けます。
- Shift + Enter: セルを実行し、次のセルを自動生成します。
- Ctrl + Enter: セルを実行するだけで、次のセルは作成されません。
また、複数行のプログラムも簡単に実行できます。たとえば、次のような繰り返し処理を入力してみます。
3.3. セルに以下を入力します。
for i in range(10):
print(i)
1行目で for i in range(10):
を入力後、Enterキーで改行すると自動でインデントされるので、2行目に print(i)
を入力します。
3.4. Ctrl + Enter(または Shift + Enter)を押すと、セル内のコードが実行され、0から9までの数字が表示されます。

4.JupyterLabの利便性と活用方法
JupyterLabは、セル単位でコードを管理するため、各セルごとに結果を確認しながら、コードの修正や追加が容易です。また、実行結果を視覚的に確認できる点や、複数のノートブックやターミナル、エディタを同時に開くことができる点が、実験的なデータ解析や開発に最適な環境を提供します。未経験の方は、まずJupyterLabを起動して数行のコードを実行してみることで、その操作性や便利さを実感できるでしょう。
まとめ
JupyterLabは、Pythonの長いプログラムや複数行にわたるコードを視覚的に整理しながら実行できるため、インタプリタの対話モードよりも幅広い用途に対応できる環境です。新しいノートブックの作成、セル単位でのコード実行、「Shift + Enter」や「Ctrl + Enter」を使い分けた操作方法など、基本的な使い方を覚えることで、効率的にPythonのプログラム開発やデータ解析が進められます。これからの作業に向けて、まずはJupyterLabで実際にコードを入力して実行し、環境に慣れてみましょう。