【Python入門】Pythonの歴史

 Pythonはオランダ人プログラマ、グイド・ヴァンロッサム氏が1989年に開発を始め、1991年に公開された言語です。Cよりは新しいものの、JavaやJavaScriptよりも古く、教育目的のシンプルさが特徴でした。バージョンは1系・2系・3系と進化し、近年はPython 3が主流です。長らくグイド氏が「BDFL(善意の終身独裁者)」として開発を牽引してきましたが、現在はコミュニティ主体で改良が続けられています。名称は英コメディ番組「空飛ぶモンティ・パイソン」に由来し、ニシキヘビ(python)にちなんでヘビのアイコンが用いられています。

1.Python誕生の背景

 Pythonは1989年にオランダ出身のプログラマ、グイド・ヴァンロッサム氏によって誕生し、1991年に一般に公開されました。C言語(1972年)よりは若いものの、JavaやJavaScript(ともに1995年登場)よりも歴史があるため、意外にも長い歴史を持っています。当初は教育目的で設計され、学習コストを下げるためにシンプルかつ直感的な文法を目指していました。これが後に、実務や研究の現場でも効率的に使える汎用プログラミング言語として進化する土台となります。

2.バージョンの変遷

 Pythonはリリース当初より継続的にアップデートされ、下表のような大きなバージョンアップを経てきました。

バージョン発表年主な特徴
Python 1.x1994年初期のリリース。基本機能を備えたシンプルな設計
Python 2.x2000年機能拡張が進み、世界中で広く利用され始める
Python 3.x2008年互換性の問題を解消し、大幅に洗練された設計へ進化

 Python 2と3の互換性は長らく懸案事項でしたが、近年ではPython 3への完全移行が促されており、現代的なニーズに合わせた高度な機能やライブラリがどんどん取り込まれています。

3.開発者とコミュニティ

 Pythonの開発を牽引したのは、グイド・ヴァンロッサム氏です。彼は「BDFL (Benevolent Dictator for Life)」、いわゆる「善意の終身独裁者」と呼ばれ、長きにわたってPythonに関する最終的な決定権を持っていました。2018年にBDFLの役割から退いた後も、世界中の開発者コミュニティが中心となって、継続的にPythonの開発と改良を行っています。

4.名前の由来とアイコン

 Pythonという名称は、グイド氏がファンであった英国のコメディ番組「空飛ぶモンティ・パイソン (Monty Python’s Flying Circus)」から取られています。一方で、英語の “python” はニシキヘビを意味する言葉でもあるため、Pythonの公式アイコンにはヘビの絵柄が採用されています。これらの背景が合わさって、Pythonという名とアイコンに独特の魅力が生まれました。

まとめ

 Pythonは1989年の誕生からすでに30年以上を経ており、教育用から始まった設計思想を活かして、現在では学習のしやすさと実務・研究の現場での即戦力としての側面をあわせ持つ言語へと進化してきました。バージョンの進化、中心的なリーダーとコミュニティによる安定的な開発体制、そしてユニークな名前の由来、これらの歴史が積み重なった結果、Pythonは今や幅広い応用分野で使われる人気言語としての地位を確立しているのです。