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【Python入門】検索文字列を探すメソッド

検索文字列を探すメソッド
Pythonプログラミングにおいて、文字列の検索メソッドは、文字列内から特定の部分文字列を効率的に探し出すための重要なツールです。これらのメソッドを活用することで、データの解析やテキストの処理が容易になり、プログラムの機能性を大幅に向上させることができます。ここでは、Pythonの文字列検索メソッドについて、具体的な例や表を用いてわかりやすく解説します。

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1.文字列の検索メソッドとは
文字列の検索メソッドは、文字列内から特定の部分文字列を探し出すための関数です。Pythonには、検索を行う際の開始位置や見つからなかった場合の動作に応じて、主に5つのメソッドが用意されています。これらのメソッドを理解し、適切に使い分けることで、文字列操作の幅が広がります。
主な文字列を検索するメソッド一覧
以下の表は、Pythonの文字列検索メソッドとその特徴をまとめたものです。
メソッド名 | 検索開始位置 | 見つからない場合の動作 |
---|---|---|
find() | 先頭 | -1 を返す。 |
rfind() | 末尾 | -1 を返す。 |
index() | 先頭 | 例外(ValueError )を発生 |
rindex() | 末尾 | 例外(ValueError )を発生 |
count() | - | 該当部分文字列の出現回数を返す。 |
ポイント
find()
とrfind()
は見つからない場合に-1
を返すため、エラー処理を必要としません。index()
とrindex()
は見つからない場合に例外を発生させるため、確実に存在することが保証されている場合に使用します。count()
は指定した部分文字列が何回出現するかを数えるメソッドです。
2.各メソッドの基本的な使い方
ここでは、各検索メソッドの基本的な使用方法を具体的な例とともに説明します。
2.1. find()
メソッド
find()
メソッドは、文字列内で指定した部分文字列が最初に現れる位置を返します。見つからない場合は -1
を返します。
サンプルプログラム
# `find`メソッドの基本例
sentence = "The quick brown fox jumps over the lazy dog."
position = sentence.find("fox")
print(position) # 出力: 16
実行結果
16
2.2. rfind()
メソッド
rfind()
メソッドは、文字列内で指定した部分文字列が最後に現れる位置を返します。見つからない場合は -1
を返します。
サンプルプログラム
# `rfind`メソッドの基本例
sentence = "Hello world! Welcome to the world of Python."
position = sentence.rfind("world")
print(position) # 出力: 28
実行結果
28
2.3. index()
メソッド
index()
メソッドは、文字列内で指定した部分文字列が最初に現れる位置を返します。見つからない場合は ValueError
を発生させます。
サンプルプログラム
# `index`メソッドの基本例
text = "Data analysis with Python."
try:
position = text.index("analysis")
print(position) # 出力: 5
except ValueError:
print("部分文字列が見つかりませんでした。")
実行結果
5
2.4. rindex()
メソッド
rindex()
メソッドは、文字列内で指定した部分文字列が最後に現れる位置を返します。見つからない場合は ValueError
を発生させます。
サンプルプログラム
# `rindex`メソッドの基本例
text = "Error in line 10. Please check line 10."
try:
position = text.rindex("line")
print(position) # 出力: 31
except ValueError:
print("部分文字列が見つかりませんでした。")
実行結果
31
2.5. count()
メソッド
count()
メソッドは、文字列内で指定した部分文字列が何回出現するかを数えます。
サンプルプログラム
# `count`メソッドの基本例
word = "banana bandana"
count_a = word.count("a")
count_na = word.count("na")
print(count_a) # 出力: 6
print(count_na) # 出力: 3
実行結果
6
3
3.メソッドを使った具体的な例
実際のプログラムでこれらのメソッドをどのように活用できるか、具体的な例を見ていきましょう。
3.1. メソッドを使ってメールアドレスのドメインを抽出する
メールアドレスからドメイン部分を抽出する際に、find()
メソッドとスライスを組み合わせて使用します。
サンプルプログラム
# メールアドレスからドメインを抽出する例
email = "user@example.com"
at_position = email.find("@")
if at_position != -1:
domain = email[at_position + 1:]
print(domain) # 出力: example.com
else:
print("有効なメールアドレスではありません。")
実行結果
example.com
3.2. 文章中の特定単語の出現回数を数える
count()
メソッドを使用して、文章中に特定の単語が何回出現するかを数えます。
サンプルプログラム
# 文章中の特定単語の出現回数を数える例
text = "Python is great. I love Python because Python is versatile."
python_count = text.count("Python")
print(python_count) # 出力: 3
実行結果
3
3.3. 文字列内の最後の特定文字の位置を見つける
rfind()
メソッドを使用して、文字列内の最後の特定文字の位置を見つけます。
サンプルプログラム
# 文字列内の最後の特定文字の位置を見つける例
filename = "report_final_version.docx"
dot_position = filename.rfind(".")
if dot_position != -1:
extension = filename[dot_position + 1:]
print(extension) # 出力: docx
else:
print("拡張子が見つかりませんでした。")
実行結果
docx
4.検索メソッドの使い分け
各検索メソッドには特定の用途や動作があります。以下の表にまとめたものを参考に、状況に応じて適切なメソッドを選択しましょう。
メソッド名 | 検索開始位置 | 見つからない場合の動作 | 主な用途 |
---|---|---|---|
find() | 先頭 | -1 を返す | 部分文字列の存在確認や位置の取得に使用 |
rfind() | 末尾 | -1 を返す | 文字列の末尾に近い位置での部分文字列の検索に使用 |
index() | 先頭 | 例外(ValueError )を発生 | 部分文字列の存在が確実な場合の位置取得に使用 |
rindex() | 末尾 | 例外(ValueError )を発生 | 文字列の末尾に近い位置での部分文字列の位置取得に使用 |
count() | - | 該当部分文字列の出現回数を返す | 特定部分文字列の出現頻度を知りたい場合に使用 |
選択のポイント
- 部分文字列が存在するかどうか不明な場合は、
find()
やrfind()
を使用して-1
を返すか確認します。 - 部分文字列の存在が確実であり、見つからない場合にエラーを発生させたい場合は、
index()
やrindex()
を使用します。 - 出現回数を数えたい場合は、
count()
を使用します。
5.検索メソッドのまとめ
特徴 | 説明 |
---|---|
find メソッド | 指定した部分文字列が最初に現れる位置を返し、見つからない場合は -1 を返す。 |
rfind メソッド | 指定した部分文字列が最後に現れる位置を返し、見つからない場合は -1 を返す。 |
index メソッド | 指定した部分文字列が最初に現れる位置を返し、見つからない場合は ValueError を発生させる。 |
rindex メソッド | 指定した部分文字列が最後に現れる位置を返し、見つからない場合は ValueError を発生させる。 |
count メソッド | 指定した部分文字列が文字列内に何回出現するかを数える。 |
正規表現との併用 | re モジュールを使用することで、複雑なパターンの検索が可能。 |
ポイント
- 部分文字列の存在確認や位置の取得には
find()
やrfind()
が便利。 - 部分文字列の存在が確実で、見つからない場合にエラーを発生させたい場合は
index()
やrindex()
を使用。 - 出現回数を数えるには
count()
が最適。 - 高度な検索には正規表現を活用し、
re
モジュールと組み合わせることで柔軟なパターンマッチングが可能。
まとめ
ここでは、Pythonにおける検索文字列を探すメソッドについて学びました。
- 検索メソッドの種類:
find()
、rfind()
、index()
、rindex()
、count()
の5つの主要メソッドとその特徴。 - 基本的な使い方:各メソッドの基本的な使用方法と具体的なコード例。
- 具体的な応用例:メールアドレスのドメイン抽出や文章中の単語出現回数のカウントなど、実践的な使用例。
- 検索メソッドの使い分け:状況に応じて適切なメソッドを選択するためのガイドライン。
- 効率的な検索方法:一度に複数の検索を行う方法や、正規表現を使用した高度な検索技術。
これらの知識を基に、Pythonプログラム内で文字列を柔軟かつ効果的に検索・操作することができるようになります。ぜひ、実際にコードを書きながら、検索メソッドを活用した文字列操作方法を体験し、理解を深めてください。次のコンテンツでは、3章で解説してきた内容をまとめます。