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【Python入門】2章の演習プログラム

プログラムのダウンロード
「ダウンロード」から、JupyterLab で実行できるサンプルプログラムがダウンロードできます。ファイルは、ESET Endpoint Securityでウイルスチェックをしておりますが、ダウンロードとプログラムの実行は自己責任でお願いいたします。
2章の演習プログラム
2章で学んだ内容の総まとめとして実際に手を動かす「演習プログラム」を作成していきます。下の表は、2章で解説した各項目の要点をまとめたものです。それぞれの項目に関する演習プログラムを用意しました。この演習プログラムに取り組むことで、基礎知識を確実に身につけ、次のステップでより実践的な Python プログラミングに取り組む準備が整うことでしょう。
項目 | 要点 | 演習プログラム例の目的 |
---|---|---|
print関数の基本的な使い方 | 値や式の結果をコンソールに出力する基本的な組み込み関数。 | 画面への出力動作を確認し、基本的な関数呼び出しを理解する。 |
endパラメータでの改行制御 | 改行の代わりに任意の文字列を出力末尾に付加できる。 | 複数の値を1行に連続表示する出力形式を学ぶ。 |
プログラムの実行順序 | コードは上から下に順次実行され、宣言や処理の順番が結果に反映される。 | 変数の初期化、変更、出力の流れを確認する。 |
関数の使用例(max関数とlen関数) | max関数は複数の値の中で最大値を返し、len関数は文字列やリストの長さを返す。 | 戻り値の取得とその利用方法(計算への組み込みなど)を実践する。 |
インデントの意味 | インデントがコードブロックを形成し、プログラムの構造を決定する。 | 正しいインデントの付け方を確認し、ブロック構造の理解を深める。 |
コメント文の書き方 | # を使ってコードに説明文を追加。ブロックコメントとインラインコメントがある。 | コードの意図を明確に伝えるため、適切なコメントを記述する練習。 |
標準コーディングスタイル(PEP8) | コードの見た目や書き方の統一ルール。インデント、命名規則、コメントの記法などを規定。 | ツール(pycodestyle, autopep8)を使って自動チェック・修正する方法を学ぶ。 |

1.print関数の基本的な使い方
【演習】
# 「Hello, Python!」と計算結果 13 を表示するサンプル
print("Hello, Python!")
print(10 + 3)
【解説】
このコードでは、print 関数を使って文字列と計算結果を出力しています。各 print 文は独立して実行され、上から下に順次表示されます。
【実行結果】
Hello, Python!
13
となり、print 関数の基本動作を理解するのに役立ちます。
2.endパラメータでの改行制御
【演習】
# 1から5までの数値の二乗をカンマ区切りで1行に表示
for i in range(1, 6):
print(i * i, end=', ')
【解説】
通常 print は改行を追加しますが、end=', '
を指定することで各出力の後に「, 」が挿入され、すべてが1行に連結されます。
【実行結果】
1, 4, 9, 16, 25,
これにより、end パラメータの効果を体感できます。
3.プログラムの実行順序
【演習】
# 変数 x の値の更新と出力の流れを確認するサンプル
x = 10
print("x =", x)
x = x + 5
print("x =", x)
【解説】
コードは上から順に実行されるため、最初の出力で 10、その後 x が 5 追加され 15 になる様子が確認できます。
【実行結果】
x = 10
x = 15
プログラムの実行フローがどのように影響するかを学べます。
4.関数の使用例:max関数とlen関数
【演習】
# max関数と len関数 を使ったサンプル
print("最大値:", max(10, 5, 30, 7))
print("文字数:", len("Hello!World!"))
【解説】
- max 関数は複数の値から最大の値 30 を返し、
- len 関数は "Hello!World!" の文字数 12 を返します。
【実行結果】
最大値: 30
文字数: 12
これにより、戻り値の利用方法を確認できます。
5.インデントの意味
【演習】
# 偶数か奇数かを判定して表示するサンプル
for i in range(1, 6):
if i % 2 == 0:
print(i, "is Even")
else:
print(i, "is Odd")
【解説】
正しいインデント(空白4個で統一)により、if-else のブロックが明確になり、1から5までの各値が偶数か奇数か正しく判定されます。
【実行結果】
1 is Odd
2 is Even
3 is Odd
4 is Even
5 is Odd
インデントが重要である理由が理解できる内容です。
6.コメント文の書き方
【演習(ブロックコメント)】
# テストの平均点を計算して表示する
score1 = 88
score2 = 92
score3 = 79
average = (score1 + score2 + score3) / 3
print("Average Score:", average)
【解説】
上記では、プログラムの冒頭にブロックコメントを使い、全体の処理内容を明示しています。
【演習(インラインコメント)】
score1 = 88 # 1回目のテストの点数
score2 = 92 # 2回目のテストの点数
score3 = 79 # 3回目のテストの点数
average = (score1 + score2 + score3) / 3 # 平均点を計算
print("Average Score:", average) # 結果を表示
【解説】
インラインコメントで各変数や計算式の意味がわかるため、コードの意図が明確です。
7.標準コーディングスタイル(PEP8)
【演習】
# PEP8 に沿ったサンプルプログラム
def calculate_average(scores):
"""テストの点数の平均を計算して返す"""
return sum(scores) / len(scores)
scores = [88, 92, 79] # テストの点数リスト
avg = calculate_average(scores)
print("Average Score:", avg)
【解説】
- 関数名や変数名がスネークケースで書かれている。
- インデントは空白4個で統一。
- コメントとドキュメンテーション文字列も PEP8 のルールに則っています。
これにより、可読性と保守性が向上したコード例となります。
まとめ
2章では、以下の内容について学びました。
項目 | 主なポイント |
---|---|
print関数の基本的な使い方 | 値や式の結果をコンソールに出力する基本機能。 |
endパラメータを使った改行制御 | 出力後の改行を任意の文字列に変更し、値を1行に整形して表示可能。 |
プログラムの実行順序 | 上から下にコードが逐次実行され、変数や関数の定義順序が結果に影響。 |
max関数とlen関数の使用例 | 組み込み関数を用いて、最大値の取得や文字列長の計算ができる。 |
インデントの意味 | コードのブロックを明示し、正しい書式が必須。推奨は空白4個。 |
コメント文の書き方 | ブロックコメントとインラインコメントを使い分け、コードの説明を追加。 |
標準コーディングスタイル(PEP8) | コードの統一された見た目を保ち、可読性・保守性を向上させるガイドライン。 |
以上の各項目を振り返ることで、2章で学んだ基本事項が整理され、次の章でこれらの知識を活かした演習プログラムの作成に取り組む準備が整ったと思います。次の 3章では、すべての基本となる文法について解説していきます。