C言語の基本|ソースファイルの作成から実行まで

C言語の最初の一歩は、書いて、コンパイルして、実行することから始まります。

C言語の学習を始めたばかりのときに迷いやすいのが、「どこにファイルを作るのか」「どうやってコンパイルするのか」「実行ファイルはどう動かすのか」という一連の流れです。

C言語は、ソースコードを書いたらすぐに動くタイプの言語ではありません。まず .c という拡張子のソースファイルを作成し、そのファイルをGCCでコンパイルし、必要な部品とリンクして、実行ファイルを作ります。その実行ファイルをコマンドプロンプトから起動して、ようやく結果を確認できます。

最初はコマンド操作に少し緊張するかもしれませんが、一度「作る → 変換する → 動かす」の流れを体験すると、C言語の学習はぐっと進めやすくなります。ここでは、VS Codeでソースファイルを作り、コマンドプロンプトでコンパイルして実行するまでを、順番にやさしく整理していきます。

まず全体の流れをつかむ

最初に、今回行う作業を全体で確認しておきましょう。
C言語のプログラムを動かすには、VS Code、作業用フォルダー、コマンドプロンプト、GCCを順番に使います。

手順内容使うもの
1VS Codeを起動するVS Code
2作業用フォルダーを作るエクスプローラー
3VS Codeでフォルダーを開くVS Code
4ソースファイルを作るVS Code
5ソースコードを入力して保存するVS Code
6コマンドプロンプトを開くcmd
7cd で作業フォルダーへ移動するcmd
8gcc でコンパイルするGCC
9実行ファイルを起動するcmd
10日本語表示が必要なら chcp 65001 を実行するcmd

この表のポイントは、C言語では「書く場所」と「動かす場所」が分かれていることです。
VS Codeはソースコードを書く場所、コマンドプロンプトはコンパイルや実行を行う場所、GCCはC言語を実行ファイルへ変換する道具です。

図1:ソースファイル作成から実行までの全体像

この図から分かること

C言語のプログラムは、VS Codeでソースファイルを作成し、GCCでコンパイルして、実行ファイルを作ってから動かします。最初に全体の順番を見ておくと、作業中に「今どこを進めているのか」が分かりやすくなります。

VS Codeを起動する

まずは、インストール済みのVS Codeを起動します。
デスクトップアイコンやスタートメニューから起動できます。

VS Codeは、C言語のソースコードを書くためのエディターとして使います。メモ帳でもC言語のソースコードを書くことはできますが、VS Codeには学習しやすい機能が多くあります。

VS Codeの便利な点内容
色分け表示printf や文字列などが見やすくなる
入力ミスに気づきやすい括弧や文字列の対応を確認しやすい
ファイル管理がしやすい作業用フォルダー内のファイルを一覧できる
拡張機能を使えるC/C++拡張機能で補完やエラー表示を強化できる

C言語の学習では、ソースコードを何度も修正します。
見やすいエディターを使うことで、入力ミスや保存忘れにも気づきやすくなります。

作業用フォルダーを作成する

次に、C言語の練習ファイルを保存する作業用フォルダーを作ります。
ここでは例として、Cドライブ直下に cwork フォルダーを作成します。

作成するフォルダーは次の場所です。

C:\cwork

作業用フォルダーを決めておくと、ファイルが散らばらず、あとから探しやすくなります。
また、コマンドプロンプトで移動する場所も毎回同じになるため、操作ミスを減らせます。

フォルダーを分ける理由説明
ファイルを整理しやすいC言語の練習ファイルをまとめて管理できる
コマンド操作が楽になるcd \cwork で同じ場所へ移動しやすい
保存場所のミスを減らせる別フォルダーに保存してしまう事故を防げる
学習履歴を残しやすいlesson01.c や practice01.c のように管理できる

学習が進むと、ソースファイルや実行ファイルが増えていきます。
最初から作業用フォルダーを分けておくと、後でかなり楽になります。

VS Codeでフォルダーを開く

作業用フォルダーを作ったら、VS Codeでそのフォルダーを開きます。

手順は次の通りです。

  • VS Codeのメニューから ファイル → フォルダーを開く を選ぶ
  • cwork フォルダーを選択する
  • フォルダーの選択 をクリックする
  • 信頼確認が表示されたら、内容を確認して信頼する

これで、VS Codeの左側に cwork フォルダーが表示されます。
この状態にしておくと、新しいCファイルを作るときに保存先で迷いにくくなります。

図2:VS Codeで作業用フォルダーを開く流れ

この図から分かること

C言語の学習では、作業用フォルダーを決めてからVS Codeで開くと、ファイル管理が分かりやすくなります。ソースファイルをどこに保存したかが明確になり、コマンドプロンプトで移動する場所も固定できます。

ソースファイルを作成する

VS Codeで cwork フォルダーを開いたら、新しいC言語のソースファイルを作成します。

ここでは、ファイル名を greeting.c にします。
拡張子 .c は、C言語のソースファイルであることを示す目印です。

項目補足
良い例greeting.cC言語ファイルとして分かりやすい
注意が必要な例greeting.c がないためCファイルとして扱いにくい
学習中のおすすめlesson01.c、practice01.c後で見返しやすい
避けたい例練習1.c環境によって扱いにくい場合がある

ファイル名は、最初のうちは英数字で付けるのがおすすめです。
コマンドプロンプトで入力しやすく、トラブルも減らせます。

画面に英語メッセージを表示するプログラム

ファイル名:greeting.c

#include <stdio.h>

int main(void)
{
    // 最初のC言語プログラムとしてメッセージを表示する
    printf("Start C programming!\n");

    return 0;
}

実行結果の例

Start C programming!

このプログラムは、C言語の最初の練習として、画面に短いメッセージを表示するものです。
内容はとてもシンプルですが、C言語の基本構造がしっかり入っています。

内容説明
#include <stdio.h>ヘッダーファイルの読み込みprintf を使うために必要
int main(void)プログラムの開始地点C言語ではmain関数から実行が始まる
{ }処理の範囲main関数の中身を囲む
// ...コメント説明を書くための文で、実行には影響しない
printf("Start C programming!\n");文字を表示画面にメッセージを出力する
\n改行表示後に行を変える
return 0;正常終了プログラムが問題なく終わったことを示す

入力するときは、次の点に気をつけましょう。

  • セミコロン ; を忘れない
  • 括弧 ( ) と波括弧 { } の対応をそろえる
  • ダブルクォーテーション " を閉じ忘れない
  • 記号は半角で入力する
  • 入力後は保存する

C言語では、1文字の入力ミスでもコンパイルエラーになることがあります。
ただし、エラーが出るのは普通のことです。焦らず、表示されたメッセージを見ながら直していきましょう。

コマンドプロンプトを起動する

ソースコードを保存したら、次はコンパイルと実行です。
Windowsでは、コマンドプロンプトを使って操作します。

起動手順は次の通りです。

  • スタートメニューの検索に cmd と入力する
  • Enterキーを押す
  • コマンドプロンプトが開く

コマンドプロンプトを開くと、次のような表示が出ます。

C:\Users\ユーザー名>

これは、現在どの場所で作業しているかを表しています。
この「今いる場所」をカレントディレクトリーと呼びます。

作業フォルダーへ移動する

先ほど作成した C:\cwork に移動するには、次のコマンドを入力します。

cd \cwork

移動できると、表示が次のようになります。

C:\cwork>

これで、greeting.c がある場所に移動できました。
コンパイルは、ソースファイルがある場所で行うと分かりやすいです。

部分意味
cdカレントディレクトリーを変更するコマンド
\cworkCドライブ直下のcworkフォルダー
C:\cwork>現在cworkフォルダーにいることを示す表示

キーボードや表示環境によっては、 ¥ が \ のように見える場合があります。
Windowsのパス表記ではよくある表示の違いなので、最初は慌てなくて大丈夫です。

GCCでコンパイルする

いよいよコンパイルします。
コマンドプロンプトで、次のコマンドを入力します。

gcc greeting.c -o greeting

この1行で、コンパイルとリンクが行われ、Windowsでは greeting.exe という実行ファイルが作られます。

部分意味
gccC言語をコンパイルするためのコマンド
greeting.cコンパイルするソースファイル
-o greeting出力する実行ファイル名をgreetingにする指定

-o を付けると、作成する実行ファイル名を自分で指定できます。
学習中は、ソースファイル名と実行ファイル名をそろえておくと分かりやすいです。

コンパイルコマンド作成される実行ファイル説明
gcc greeting.c -o greetinggreeting.exe名前を指定して作成
gcc greeting.c -o appapp.exe別名で作成
gcc greeting.ca.exe-o を省略した場合の既定名

最初は -o を付ける習慣をつけるのがおすすめです。
どの実行ファイルが作られたのか分かりやすくなります。

図3:コンパイルから実行までの流れ

この図から分かること

GCCで greeting.c をコンパイルすると、内部ではソースコードの変換とリンクが行われ、実行ファイル greeting.exe が作られます。その実行ファイルを起動すると、プログラムの結果が画面に表示されます。C言語では、ソースファイルと実行ファイルを分けて考えることが大切です。

コンパイル成功の見方

コンパイルが成功すると、基本的には何も表示されず、次のプロンプトに戻ります。

C:\cwork>

最初は「何も表示されないけれど大丈夫かな」と感じるかもしれません。
しかし、エラーメッセージが出ずにプロンプトが戻ってきた場合、成功していることが多いです。

成功確認のポイント内容
プロンプトが戻ってくる次のコマンドを入力できる状態になる
エラーメッセージが出ていない文法ミスなどが見つかっていない
実行ファイルができているgreeting.exe が作成されている

作成されたファイルを確認したい場合は、エクスプローラーで C:\cwork を開いてもよいです。

コンパイルエラーが出たときの見方

入力ミスがあると、コンパイル時にエラーメッセージが表示されます。
たとえば、次のようにセミコロンを忘れるとエラーになります。

printf("Start C programming!\n")

正しくは、行末にセミコロンが必要です。

printf("Start C programming!\n");

エラーが出たときは、次の順番で確認しましょう。

手順内容
1エラーメッセージの行番号を見る
2指定された行と、その前後の行を確認する
3セミコロン、括弧、スペルを見直す
4VS Codeで修正する
5保存してから再コンパイルする

よくあるミスは次の通りです。

  • セミコロン ; の付け忘れ
  • printf のスペルミス
  • 括弧 () や {} の閉じ忘れ
  • ダブルクォーテーション " の閉じ忘れ
  • 全角記号を使ってしまう
  • ファイルを保存せずにコンパイルしている

エラーは、学習中によく出ます。
大切なのは、エラーを怖がることではなく、エラーメッセージをヒントとして読むことです。

リンクとは何か

gcc greeting.c -o greeting を実行すると、内部ではコンパイルだけでなくリンクも行われます。

ざっくり分けると、次のような流れです。

ソースファイル(greeting.c)
   ↓
コンパイル
   ↓
中間の機械向けデータ
   ↓
リンク
   ↓
実行ファイル(greeting.exe)

リンクは、必要な部品をつないで実行できる形に仕上げる作業です。
今回のような短いプログラムでも、printf などの機能を使うために、標準ライブラリの仕組みが関係しています。

初心者のうちは、リンクは「必要な部品をつなぐ作業」と考えておけば十分です。
詳しい仕組みは、関数やライブラリを学ぶ段階で少しずつ理解していけば大丈夫です。

実行してみる

コンパイルが成功したら、作成した実行ファイルを起動します。

greeting

または、拡張子を付けて次のように入力しても構いません。

greeting.exe

実行結果として、次のように表示されれば成功です。

Start C programming!

自分で入力したプログラムが画面に表示されたら、最初の達成ポイントです。
C言語では、この「書く → コンパイルする → 実行する → 結果を見る」の流れを何度も繰り返しながら学習していきます。

日本語を表示すると文字化けすることがある理由

今回のプログラムは英語のメッセージを表示しているため、文字化けの問題は起きにくいです。
ただし、日本語のメッセージを表示するプログラムに変えると、環境によっては文字化けすることがあります。

よくある原因は、VS Codeで保存した文字コードと、コマンドプロンプトが表示に使う文字コードが合っていないことです。

場所文字コードの例
VS Codeで保存したソースUTF-8
コマンドプロンプトの表示Shift-JIS系の設定になっていることがある

日本語表示を安定させたい場合は、コマンドプロンプトで実行前に次のコマンドを入力します。

chcp 65001

日本語表示を含む場合の流れは、次のようになります。

  • cmdを起動する
  • chcp 65001 を実行する
  • cd \cwork で作業フォルダーへ移動する
  • gcc greeting.c -o greeting でコンパイルする
  • greeting を実行する

chcp 65001 は、コマンドプロンプトを開き直すと元に戻ることがあります。
日本語を表示するプログラムを試すときは、毎回最初に実行する習慣をつけると安心です。

最初に押さえておきたいこと

ソースファイルの作成から実行までで、特に大切なのは次の3つです。

ポイント内容
C言語は書いたらすぐ実行ではないソースファイルを作り、GCCでコンパイルしてから実行する
作業フォルダーを決めると楽になるC:\cwork のように場所を固定すると操作しやすい
エラーは学習の一部行番号やメッセージを見ながら直すことで理解が深まる

ここまでできれば、C言語学習の土台はかなりしっかりしてきます。
次は、表示する文字を変えたり、複数行を出力したりしながら、少しずつC言語に慣れていきましょう。