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【6日でできるVisual Basic2022入門】プロジェクトの作成

Visual Studio Community 2022を使ったアプリケーション開発では、まず「プロジェクト」を作成することから始めます。プロジェクトは、アプリケーションを構成するプログラムファイルやリソースを一元管理するための単位です。ここでは、プロジェクト作成の基本手順と、テンプレート選択のポイントについて表や図を交えて分かりやすく解説します。

1.プロジェクト作成の基本
1.1. プロジェクトとは
| 用語 | 説明 |
|---|---|
| プロジェクト | アプリケーションを構成するファイルや設定をまとめて管理する単位。開発やビルドの基本単位となる。 |
| ソリューション | 複数のプロジェクトをまとめて管理する上位単位。大規模な開発や複数アプリの連携に役立つ。 |
Visual Studioでは、すべてのアプリケーションはプロジェクト単位で管理され、複数のプロジェクトをまとめて「ソリューション」と呼びます。
1.2. プロジェクト作成手順の流れ
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| ① 起動 | スタートメニューやショートカットから「Visual Studio 2022」を起動 |
| ② 新規作成の選択 | 「最近開いた項目」画面や[ファイル]メニューから「新しいプロジェクトの作成」を選ぶ |
| ③ テンプレート選択 | 作りたいアプリに合ったテンプレート(例:Windowsフォームアプリ)を選ぶ |
| ④ 設定入力 | プロジェクト名や保存場所、フレームワーク(.NET 8.0推奨)を選択し「作成」 |
2.テンプレート選択と初期設定
2.1. テンプレート選択のポイント
Visual Studio Community 2022には様々なプロジェクトテンプレートが用意されており、作りたいアプリに応じて最適なものを選びます。
| 分類 | 選択例 | 補足 |
|---|---|---|
| 言語 | Visual Basic | 初心者でも扱いやすく、学習に適している。 |
| プラットフォーム | Windows | Windows用アプリ開発向けテンプレートを一覧表示 |
| 種類 | デスクトップ | WindowsフォームアプリやWPFアプリなどが選べる。 |
テンプレート絞り込みの操作
1.Visual Studio 2022を起動します。
2.「新しいプロジェクトの作成」を選択します。

3.テンプレートを選択します。
「Windows フォームアプリ」を選択して「次へ」ボタンをクリックします。

4.プロジェクト名を入力します。
ここでは、プロジェクト名に「SampleApp」と入力します。
そうすると、自動的にソリューション名にも「SampleApp」が設定されます。
「次へ」ボタンをクリックします。

2.2. フレームワーク選択と追加情報
新規プロジェクトの作成時には、使用する.NETのバージョンも選択します。
.NET 8.0(LTS: 長期的なサポート)の特徴
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| サポート期間 | LTS(Long Term Support)版 リリースから3年間の長期サポートが提供される |
| 安定性 | バグ修正・セキュリティアップデートが安定して提供され、企業や本番システム向き |
| 対象ユーザー | 業務システム・企業・安定性重視の開発者 |
| リリース時期 | 2023年11月 |
| 最新機能 | .NET 8.0リリース時点の最新機能をすべて利用可能 |
.NET 9.0の特徴
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| サポート期間 | ST(Standard Term)版 サポートは約18か月と短い |
| 安定性 | 最新機能・実験的な機能もいち早く利用できるが、サポート期間が短い |
| 対象ユーザー | 新技術の検証・先行導入・個人や小規模のプロジェクト |
| リリース時期 | 2024年11月(予定) |
| 最新機能 | .NET 9.0リリース時点の最新機能や改良点をいち早く使いたい場合に最適 |
どちらが推奨されるか
- 業務システムや長期運用が前提の場合
→ .NET 8.0(LTS)を強く推奨
LTSバージョンは3年間のサポートがあるため、運用中にセキュリティ修正やバグ修正が安定して受けられます。企業システムや商用サービス、本番運用ではLTS版を選ぶのが業界標準です。 - 新機能をいち早く使いたい、検証目的・個人用途の場合
→ .NET 9.0も選択肢
ただし、サポート期間が短いので、将来的なバージョンアップ計画やメンテナンスが必須となります。
LTS版と通常版(ST)の比較
| 項目 | .NET 8.0(LTS) | .NET 9.0(ST) |
|---|---|---|
| サポート期間 | 約3年 | 約18か月 |
| 安定性 | 高い | やや低い(新機能や変更が多い) |
| 本番利用 | ◎ | △(推奨されない) |
| 検証・学習用途 | ○ | ◎ |
| バージョンアップ頻度 | 少なめ | 多め |
フレームワーク選択の操作
・「.NET 8.0(長期的なサポート)」を選択して、「作成」ボタンをクリックします。

3.プロジェクト作成後のひな形確認
作成が完了すると、プロジェクトの「ひな形」となる画面が自動的に生成されます。
ソリューションエクスプローラーには、プロジェクト名やForm1.vbなどの主要ファイルが表示され、ここからプログラムの編集が始まります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| プロジェクト名 | デフォルトでは「WindowsFormsApp1」などが自動設定 |
| フォーム | Form1.vbなどのファイルが自動生成 |

4.その他のプロジェクト作成方法
既存のVSを起動中の場合
すでにVisual Studioが起動している場合や新しいアプリを追加したい場合は、
「ファイル」メニュー →「[新規作成」 →「プロジェクト」 から同様に作成できます。

まとめ
- Visual Studio Community 2022では、「プロジェクト」単位でアプリケーションの開発を進める。
- テンプレート選択時は、Visual Basic/Windows/デスクトップの絞り込みが便利。
- 最新の.NET 9.0(またはLTSの.NET 8.0)が推奨される。
- プロジェクト名や場所、フレームワークを指定し、すぐに編集作業を始められる。
用語のまとめ
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| プロジェクト | プログラムファイルやリソースをまとめて管理する単位 |
| ソリューション | 複数のプロジェクトを束ねる管理単位。拡張子「.sln」で保存 |
| テンプレート | プロジェクト作成時に選択する初期構成の雛形(用途別に多種用意されている) |
