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【6日でできるVisual Basic2022入門】②画面の設計①(フォームの作成)

②画面の設計①(フォームの作成)
ここでは「② 画面の設計①(フォームの作成)」です。新規プロジェクトの作成から、フォーム(画面のひな形)の基本設定までを丁寧に進めます。

2.画面の設計①(フォームの作成)
ここでは、VS Community 2022 を起動し、Windows フォームの「ひな形」を作ります。ここで作った土台の上に、次章でコントロール(TextBox や Button)を配置していきます。
2.1. 新規プロジェクトの作成
1.VS Community 2022 を起動する。
2.「新しいプロジェクトの作成」をクリック。

3.検索ボックスに WinForms と入力。テンプレート一覧から 「Windows フォーム アプリ」(言語: Visual Basic、プラットフォーム: Windows、プロジェクトの種類: デスクトップ)を選択。

「次へ」をクリックします。
4.プロジェクト名に「BmiChecker」 を入力(任意名で可)。場所は既定でも可。

5.追加情報でフレームワークを 「 .NET 8.0 (長期的なサポート)」を選択。

「作成」をクリック。
2.2. 初期状態のForm

2.3. フォームの基本プロパティを設定する
ソリューションエクスプローラーで Form1.vb を開き、デザイン画面を選択。フォーム(余白部分)をクリックしてプロパティウィンドウで下記を設定します。
| プロパティ | 推奨値(例) | 目的 |
|---|---|---|
Text | BMI チェッカー | ウィンドウタイトル |
StartPosition | CenterScreen | 画面中央に表示 |
Size | 400, 220 前後 | 最低限の入力・表示領域を確保 |
FormBorderStyle | FixedDialog | リサイズ禁止でレイアウト崩れを防止 |
MaximizeBox | False | 最大化ボタンを無効化 |
MinimizeBox | True | 最小化は許可 |
AutoScaleMode | Font | DPI/フォントに追随 |
Font | Yu Gothic UI, 10pt など | 日本語表示を見やすく |

ヒント:プロパティ名の先頭に「(Name)」があるものはオブジェクト名です。ここではまだ変更しなくても構いません(次章でコントロール名を命名します)。
2.4. フォーム名を分かりやすくする(任意:Form1 → MainForm)
後で読みやすくするため、フォームとファイルをリネームしておくと管理しやすくなります。
1.ソリューションエクスプローラーで 「Form1.vb」を右クリック → 名前の変更 → 「MainForm.vb」。

2.エディタでクラス名を確認します。
メニュー「表示」→「コード」を選択します。

直後にエディタでクラス名を確認すると自動的に「Public Class MainForm」に変更されていることが確認できます。

3.プロジェクト名のプロパティを表示します。

4.スタートアップオブジェクトを変更します。
スタートアップオブジェクトを「BmiChecker.MainForm」に変更します。

5.「▶BmiChecker」ボタンをクリックします。
デバックを開始します。

※ 途中でビルドしてエラーが出たら、クラス名とファイル名が揃っているか、スタートアップオブジェクトの指定が一致しているかを確認します。
ビルドでエラーがなければ、「BMI チェッカー」のフォームが表示されます。

2.5. Option 設定(型安全の初期設定)
以降の章で数値変換や分岐を安全に扱うため、プロジェクトのコンパイル設定を強化します。
1.メニュー「プロジェクト」→「BmiChecker のプロパティ」をクリックします。

2.「コンパイル」をクリックします。

2.Option Strict:On、Option Infer:On、Option Explicit:On にする。
| オプション | 推奨 | 効果 |
|---|---|---|
| Option Strict | On | 暗黙の型変換を禁止し、バグを事前に検出 |
| Option Infer | On | 代入から型推論が可能(読みやすさ向上) |
| Option Explicit | On | 変数宣言の漏れを防止 |

2.6. ここで出てくる Visual Basic 2022 の構文・概念(要点解説)
| 概念/構文 | 要点 | ミニ例 |
|---|---|---|
Inherits Form | フォームは System.Windows.Forms.Form を継承「MainForm.Designer.vb」内で定義 | (Designer 側に記述) |
Application.Run | 指定したフォームを最初に表示してアプリ起動 | Application.Run(New MainForm()) |
Option Strict On | 型安全を高める設定。数値/文字列の混在を安易に許さない | 暗黙変換が必要なコードで警告/エラー |
2.7. 実行して「ひな形」を確認
- ツールバーの「▶BmiChecker」をクリック。
- タイトルが「BMI チェッカー」の空フォームが表示されれば OK。
- 閉じて終了する。ここまでで画面の土台が完成。
以下のような空フォームが表示されれば OK

2.8. よくあるつまずき(チェックリスト)
| 症状 | 確認ポイント |
|---|---|
| テンプレートが見つからない | 検索語が WinForms になっているか/言語が Visual Basic か |
| ビルドエラーで起動しない | フォームのクラス名とファイル名、起動フォーム指定が一致しているか |
| 文字が小さい/大きい | AutoScaleMode=Font と Font の設定、Windows の表示スケール |
| 最大化できてしまう | FormBorderStyle=FixedDialog、MaximizeBox=False を再確認 |
次章への接続(この後に行うこと)
次の「③ 画面の設計②(画面の作成)」では、このフォーム上に 身長入力 TextBox、体重入力 TextBox、実行 Button、BMI 表示用 TextBox、判定 Label をドラッグ&ドロップで配置し、(Name) と Text、サイズ、配置(スナップライン)を整えます。
参考:最終的な配置の目安(次章で実施)

