
【6日でできるPython入門】ライブラリ
Pythonでは、多様な機能を効率よく利用するために「ライブラリ」という便利なプログラム群が用意されています。ライブラリは再利用可能なプログラムのまとまりで、関数やクラス、モジュールの集合体と考えられます。
Pythonには最初から多くの便利な「標準ライブラリ」が同梱されており、これを使うことで複雑な処理も簡単に実装可能です。
さらに、他者が作成し公開している「サードパーティ製ライブラリ」をインストールすれば、より高度な機能や専門的な処理も行えます。
ここでは、標準ライブラリの利用例とサードパーティ製ライブラリの導入方法を中心に解説します。

1.標準ライブラリの活用例
1.1. pickleモジュールでオブジェクトの保存と復元
ファイル名: lesson27-1.py
import pickle
class Character:
def __init__(self, name, level=1, hp=10):
self.name = name
self.level = level
self.hp = hp
# インスタンス作成
hero = Character('勇者', level=5, hp=100)
# オブジェクトをファイルに保存(シリアライズ)
with open('hero_save.pkl', 'wb') as f:
pickle.dump(hero, f)
解説
pickle
はPythonオブジェクトをファイルに保存し、後で復元できるモジュールです。wb
モードはバイナリ書き込みを意味します。
1.2. 保存したオブジェクトの復元
ファイル名: lesson27-2.py
import pickle
# Characterクラスを定義
class Character:
def __init__(self, name, level, hp):
self.name = name
self.level = level
self.hp = hp
with open('hero_save.pkl', 'rb') as f:
loaded_hero = pickle.load(f)
print(f"名前: {loaded_hero.name}, レベル: {loaded_hero.level}, HP: {loaded_hero.hp}")
実行結果
名前: 勇者, レベル: 5, HP: 100
解説
load
関数で保存したPythonオブジェクトを復元(デシリアライズ)します。
1.3. 標準ライブラリの豊富な機能
csv
:CSVファイルの読み書きdatetime
:日時操作os
:ファイルシステムや環境変数操作json
:JSON形式のデータ操作http.server
:簡単なHTTPサーバー立ち上げmath
:数学関数群
これらは言語と一緒に配布され、インストール不要でimportするだけで使えます。
公式ドキュメントで一覧と詳細が確認できます。
→ Python 標準ライブラリ
2.サードパーティ製ライブラリの利用
2.1. ライブラリのインストール方法
ターミナルの場合
次のコマンドを実行します。
pip install requests
仮想環境の場合:Anaconda Navigator利用
「Environments」からインストールする仮想環境を選択します。「▶」をクリックして「Open Terminal」を選択します。

次のコマンドを実行します。
pip install requests
2.2. 代表的なサードパーティライブラリ例
- requests:HTTP通信を簡単に行うライブラリ
- Django:Webアプリケーションフレームワーク
- NumPy、SciPy:数値計算・科学計算
- Matplotlib:グラフ描画
- scikit-learn:機械学習
- Kivy:マルチプラットフォームGUIアプリ開発
2.3. requestsの簡単な使い方例
ファイル名: lesson27-3.py
import requests
response = requests.get('https://www.python.org')
print(f"ステータスコード: {response.status_code}")
print("取得したHTMLの先頭100文字:")
print(response.text[:100])
実行例(部分)
ステータスコード: 200
取得したHTMLの先頭100文字:
<!doctype html>
<!--[if lt IE 7]> <html class="no-js ie6 lt-ie7 lt-ie8 lt-ie9"> <![endif]-->
<!-
解説
requests.get()
で指定URLのデータを取得。.status_code
でHTTPステータスを確認。.text
でレスポンスのテキストを取得可能。
まとめ表:ライブラリの基本
種類 | 内容 | 特徴・ポイント |
---|---|---|
標準ライブラリ | Pythonに同梱済みの便利なモジュール集 | 追加インストール不要、即使える |
サードパーティ製 | 外部提供の拡張ライブラリ | pip でインストールし利用、機能が豊富 |
利用方法 | import ライブラリ名 で読み込む | 必要に応じてインストールやバージョン管理が必要 |
Pythonのライブラリを活用することで、自作コードを大幅に簡素化し、あらゆる分野の開発効率を飛躍的に向上させることができます。標準ライブラリをまず使いこなし、必要に応じてサードパーティ製ライブラリを導入してみましょう。