
【6日でできるPython入門】四則演算
プログラミングで最も基本的な処理の一つが「四則演算」です。
四則演算とは、足し算・引き算・掛け算・割り算のことを指します。Pythonは、この四則演算が非常にシンプルな記述で行えるのが特徴です。
Pythonのインタラクティブ(対話)モードを利用すれば、ちょっとした電卓代わりにもなりますし、複雑な計算も簡単にプログラム化できます。
ここ章では、Pythonによる四則演算の基本的な使い方や構文、演算子の優先順位、エラー処理の注意点などを解説します。

1.Pythonの対話モードと四則演算
1.1. 対話モード(インタラクティブモード)の使い方
Pythonには対話モードがあります。これは、コマンドを1行ずつ入力して、その場で実行結果を確認できるモードです。
主に、Pythonを学び始めたばかりの人や、ちょっとした計算・動作確認に使われます。
起動方法 | 内容 |
---|---|
コマンドプロンプト | python または python3 と入力 |
Jupyter Notebook | ブラウザ上で手軽に実行&記録できる |
IDLE | 標準で付属するPythonの対話環境 |
特徴
- 実行結果がすぐ表示される。
- プログラムの一部をすぐに試せる。
1.2. Pythonの四則演算の基本
Pythonでは、以下の演算子を用いて四則演算を行います。
演算 | 記号 | 例 | 結果 |
---|---|---|---|
足し算 | + | 7 + 2 | 9 |
引き算 | - | 10 - 3 | 7 |
掛け算 | * | 4 * 5 | 20 |
割り算 | / | 20 / 4 | 5.0 |
ポイント
- 割り算
/
は小数点が含まれた結果になる(整数でも5.0
のように表示される)。 - 整数部分だけ欲しい場合は
//
(切り捨て割り算)を使う。
2.応用演算とエラー処理
2.1. 四則演算を使った実用プログラム例
ここでは「商品の値段と個数、割引率を入力し、合計金額と割引後の金額を計算する」Pythonプログラムを紹介します。
ファイル名: lesson02-1.py
# 商品の値段、個数、割引率を入力して合計金額と割引後金額を計算するプログラム
print("商品の値段を入力してください(円):")
price = int(input())
print("購入する個数を入力してください:")
quantity = int(input())
print("割引率を入力してください(例:10なら10%):")
discount_rate = float(input())
# 合計金額の計算(掛け算)
total = price * quantity
print("合計金額は", total, "円です。")
# 割引額の計算
discount = total * (discount_rate / 100)
print("割引額は", int(discount), "円です。")
# 割引後の金額(引き算)
final_price = total - discount
print("割引後の支払金額は", int(final_price), "円です。")
実行結果
商品の値段を入力してください(円):
500
購入する個数を入力してください:
3
割引率を入力してください(例:10なら10%):
15
合計金額は 1500 円です。
割引額は 225 円です。
割引後の支払金額は 1275 円です。
プログラム構文解説
部分 | 解説 |
---|---|
input() | ユーザーから値を入力させる。戻り値は文字列型なのでint() やfloat() で数値変換する必要がある。 |
* | 掛け算。値段 × 個数で合計金額を求める。 |
/ | 割引率をパーセント→小数へ(10%→0.1)。 |
- | 割引額を引いて最終金額を求める。 |
print() | 日本語メッセージで計算結果を表示する。 |
2.2. 0による割り算エラー(ZeroDivisionError)
数学と同様、0で割ることはPythonでも禁止されています。もし割り算の分母が0の場合はエラー(ZeroDivisionError)が発生します。
実行例
ファイル名: lesson02-2.py
a = 10
b = 0
print(a / b)
実行結果
Traceback (most recent call last):
File "main.py", line 3, in <module>
print(a / b)
ZeroDivisionError: division by zero
2.3. 演算子の優先順位と括弧
Pythonの演算子には優先順位があります。基本的に数学と同じルールです。
優先順位 | 演算子 | 説明 |
---|---|---|
1 | () | 丸括弧 |
2 | ** | べき乗 |
3 | * , / , // , % | 掛け算、割り算、剰余 |
4 | + , - | 足し算、引き算 |
サンプル
ファイル名: lesson02-3.py
result = 10 + 5 * 2 - (8 / 4) ** 2
print("計算結果は", result, "です。")
実行結果
計算結果は 16.0 です。
解説
- まず
(8 / 4)
が計算され、2.0
- 次に
2.0 ** 2
で4.0
- 次に
5 * 2
で10
10 + 10 - 4.0
で16.0
3.四則演算を使った演習問題
3.1. 選択問題:エラーになるのはどれ?
次のうち、実行時にZeroDivisionErrorとなるものを選びましょう。
No | コード例 | 結果 |
---|---|---|
1 | 12 - 0 | 12 |
2 | 7 * 0 | 0 |
3 | 8 / 0 | ZeroDivisionError(エラー) |
4 | 3 ** 0 | 1 |
3.2. 穴埋め問題
( )内に当てはまる演算子を入れてください。
問題 | 正解 | 解説 |
---|---|---|
20 ( ) 5 | + | 25(足し算) |
30 ( ) 10 | - | 20(引き算) |
6 ( ) 3 ( ) 2 | * / | 1.0(掛け→割り算) |
3.3. 応用問題(余り、切り捨て、べき乗)
問題 | 正解 | 解説 |
---|---|---|
14 ( ) 4 | // | 3(切り捨て割り算) |
14 ( ) 4 | % | 2(余り) |
3 ( ) 3 | ** | 27(3の3乗) |
このように、Pythonでは四則演算が簡単かつ直感的に扱えます。複雑な計算や自動化にもすぐ応用できるのが大きな魅力です。