【6日でできるPython入門】組み込み型 まとめ

Pythonにはさまざまな「組み込み型(built-in type)」が用意されており、
データの種類や用途ごとに最適な型を使い分けることで、効率よくプログラムを書くことができます。
 ここでは、今まで学んできた**主要な組み込み型を整理し、さらに新たな型(bool型、NoneType型)**についても解説します。
 それぞれの型の特徴や使いどころを理解することで、より柔軟でミスの少ないPythonプログラムを書けるようになります。

1.代表的な組み込み型

1.1. 真偽値型(bool型)

Pythonにはbool型という、「真(True)」と「偽(False)」の2つだけを持つ特別な型があります。
主に条件分岐や繰り返しの制御、各種判定結果の表現に使われます。

ファイル名: lesson11-1.py

# bool型の利用例
is_login = True
is_admin = False

print("ログインしていますか?", is_login)
print("管理者ですか?", is_admin)

password = "python123"
print("パスワードが8文字以上か?", len(password) >= 8)

実行結果

ログインしていますか? True
管理者ですか? False
パスワードが8文字以上か? True
型判定用途例
Truetype(True) → bool正しい、成立している、存在するなど
Falsetype(False)→ bool誤り、成立していない、存在しないなど

1.2. NoneType型

PythonにはNoneType型もあり、値として「None」だけを持ちます。
何も値が設定されていない・結果が存在しないことを表現したいときに使います。

ファイル名: lesson11-2.py

# NoneType型の利用例
def find_item(items, name):
    for item in items:
        if item == name:
            return item
    return None

fruits = ['りんご', 'バナナ', 'みかん']
result = find_item(fruits, 'ぶどう')
print("ぶどうはリストに含まれていますか?", result)
print("resultの型は:", type(result))

実行結果

ぶどうはリストに含まれていますか? None
resultの型は: <class 'NoneType'>
型判定用途例
Nonetype(None)→NoneType空・未設定・値なしを示す

2.組み込み型の全体まとめ

2.1. ミュータブル型とイミュータブル型

Pythonの主要な組み込み型は「ミュータブル(変更可)」と「イミュータブル(変更不可)」に分けられます。
また「シーケンス型」(順番にアクセスできる型)かどうかも重要な区分です。

ミュータブル or イミュータブルシーケンス
文字列 (str型)イミュータブル
数値 (int/float)イミュータブル×
リスト (list型)ミュータブル
タプル (tuple型)イミュータブル
辞書 (dict型)ミュータブル×
集合 (set型)ミュータブル×
真偽値 (bool型)イミュータブル×
NoneTypeイミュータブル×

ポイント解説

  • ミュータブル型:値の追加・変更・削除が可能(リスト、辞書、集合など)
  • イミュータブル型:作成後は値を変更できない(数値、文字列、タプルなど)
  • シーケンス型:順番を持つ(インデックスアクセスが可能)

2.2. 代表的な型の使い分け例

ファイル名: lesson11-3.py

# 各型の使いどころを簡単に示すプログラム
name = "佐藤"             # 文字列
scores = [85, 92, 78]     # リスト
profile = ('佐藤', 30, '東京')  # タプル
grades = {'国語': 85, '数学': 92} # 辞書
unique_nums = {1, 2, 3}   # 集合
is_pass = True            # bool型
no_data = None            # NoneType

print("プロフィール:", profile)
print("得点一覧:", scores)
print("国語の点数:", grades['国語'])
print("一意な番号:", unique_nums)

実行結果

プロフィール: ('佐藤', 30, '東京')
得点一覧: [85, 92, 78]
国語の点数: 85
一意な番号: {1, 2, 3}

このように、Pythonの組み込み型を理解し適切に使い分けることが、堅牢で効率的なプログラム作成の第一歩です。
今後は、条件分岐や繰り返しなど、さまざまな文法と組み合わせて活用していきましょう!