
【6日でできるPython入門】組み込み型 文字列①
文字列(str型)は、数値と並んでPythonプログラムの中で非常によく使われる基本の型です。名前やメッセージなど、テキストをプログラムで扱いたいときは必ず文字列型を利用します。
Pythonには、文字列をはじめ、整数(int型)、小数(float型)など、最初から備わっている「組み込み型」があり、型によってできる操作が決まっています。ここでは文字列型を中心に、基本操作やよく使う組み込み関数を紹介します。

1.組み込み型と型の考え方
1.1. Pythonの「型」とは?
型とは、「そのデータが何でできているか(種類)」を示します。Pythonで扱う主な組み込み型には以下があります。
型名 | 説明 | 例 |
---|---|---|
int | 整数 | 1, -20, 100 |
float | 小数 | 3.14, -2.0, 0.001 |
str | 文字列(テキストデータ) | "こんにちは", 'abc123' |
Pythonでは、値を代入するだけで自動的に型が決まります(宣言不要)。
ファイル名: lesson04-1.py
age = 20 # int型
price = 1980.5 # float型
name = "春子" # str型
1.2. 組み込み型とは?
「組み込み型」とは、Pythonが最初から備えている型のことです。
自分で新しい型を作らなくても、整数・小数・文字列・リストなど多くの型がすぐに使えます。
組み込み型の例 | 用途 |
---|---|
int, float | 数値の計算 |
str | テキストデータの操作 |
list, tuple | 複数データのまとめ |
dict | 辞書型(キーと値のペア管理) |
2.文字列型(str型)の基本
2.1. 文字列の作り方と使い方
文字列を変数に代入するには、シングルクォート ' '
かダブルクォート " "
で囲みます。どちらでも同じ動作です。
ファイル名: lesson04-2.py
greeting = "おはようございます"
favorite_food = '寿司'
print("メッセージ:", greeting)
print("好きな食べ物:", favorite_food)
実行結果
メッセージ: おはようございます
好きな食べ物: 寿司
ポイント
- 文字列内にダブルクォート
" "
を含めたい場合は、外側をシングルクォートで囲む(またはその逆) - 空文字(長さ0の文字列)は
""
や''
で表現
文字列の中に記号を含める例
ファイル名: lesson04-3.py
quote = '彼は「Pythonが好き」と言いました。'
print(quote)
実行結果
彼は「Pythonが好き」と言いました。
2.2. 文字列の連結・繰り返し
文字列は**+演算子でつなげたり、*演算子**で繰り返したりできます。
ファイル名: lesson04-4.py
message = "こんにちは"
name = "さくら"
full_message = message + "、" + name + "さん!"
print(full_message)
stars = "☆" * 5
print("お気に入り:" + stars)
実行結果
こんにちは、さくらさん!
お気に入り:☆☆☆☆☆
解説
操作例 | 説明 |
---|---|
message + name | 2つの文字列を結合する |
text * 3 | 文字列を3回繰り返す |
空文字列 "" | 長さ0の文字列(何もなし) |
2.3. 組み込み関数と文字列変換
Pythonにはstr()関数など、型変換や操作に便利な「組み込み関数」が用意されています。
数値から文字列への変換
ファイル名: lesson04-5.py
age = 18
age_str = str(age)
print("年齢は" + age_str + "歳です。")
実行結果
年齢は18歳です。
文字列から数値への変換・文字列の長さ
ファイル名: lesson04-6.py
score = "92"
score_int = int(score)
print("点数に10点加算:", score_int + 10)
message = "Pythonプログラミング"
print("メッセージの長さ:", len(message), "文字")
実行結果
点数に10点加算: 102
メッセージの長さ: 11 文字
間違った型でlen()を使った場合
ファイル名: lesson04-7.py
number = 100
# print(len(number)) # ←これはエラーになる
この場合、TypeError: object of type 'int' has no len()
というエラーになります。
関数 | 説明 | 例 |
---|---|---|
str(x) | xを文字列型に変換 | str(10) → "10" |
int(x) | xを整数型に変換(小数点以下切り捨て) | int("15") → 15, int(2.9) → 2 |
float(x) | xを浮動小数点数型に変換 | float("3.5") → 3.5 |
len(s) | sの長さ(要素数・文字数)を返す | len("Hello") → 5, len("") → 0 |
3.文字列の応用例
3.1. 文字列の連結と繰り返しを使ったメッセージ生成
ファイル名: lesson04-8.py
# ユーザーの名前と好きな動物を入力し、メッセージを作成
name = "光"
animal = "猫"
exclaim = "!" * 3
message = "こんにちは、" + name + "さん。あなたの好きな動物は" + animal + "ですね" + exclaim
print(message)
実行結果
こんにちは、光さん。あなたの好きな動物は猫ですね!!!
このように、Pythonの文字列型(str)は柔軟で多機能です。
型の仕組みや組み込み関数を活用して、さまざまな文字情報を自在に扱えるようになりましょう。