【6日でできるPython入門】組み込み型 リスト①

 Pythonのリスト型(list)は、複数のデータをひとまとめにして順番通りに管理できる非常に強力な組み込み型です。
数字や文字列だけでなく、さまざまな型のデータを1つのリストにまとめることができ、プログラミングを進めるうえで欠かせない存在です。
「複数の情報をまとめて扱いたい」と感じたとき、まず最初に使うことになるのがリスト型といえるでしょう。

1.リストの基本

1.1. リストの作成と基本操作

リストは、角括弧( [ ] )の中にカンマ区切りで値を並べて作成します。
どんな型のデータも入れることができ、空のリストも作れます。

ファイル名: lesson06-1.py

# 曜日や天気など複数の情報をリストでまとめるプログラム

days = ['月曜日', '火曜日', '水曜日', '木曜日', '金曜日']
temperatures = [22.5, 24.1, 21.0, 19.8, 23.3]
mixed_list = ['Python', 2024, True, None]

print("今週の曜日一覧:", days)
print("気温データ:", temperatures)
print("混合データリスト:", mixed_list)

実行結果

今週の曜日一覧: ['月曜日', '火曜日', '水曜日', '木曜日', '金曜日']
気温データ: [22.5, 24.1, 21.0, 19.8, 23.3]
混合データリスト: ['Python', 2024, True, None]
操作例内容
days = ['月', '火', ...]文字列のリスト作成
temperatures = [22.5, ...]数値(float型)のリスト作成
empty = []空のリストの作成
list('ABCD')各文字を要素に分解してリスト化

1.2. インデクシングとスライシング

リストは「シーケンス型」に分類され、位置(インデックス)で要素にアクセスできます。
また、スライス記法で一部分だけを抜き出すことも可能です。

ファイル名: lesson06-2.py

fruits = ['りんご', 'みかん', 'バナナ', 'メロン', 'ぶどう']

print("最初のフルーツ:", fruits[0])
print("最後のフルーツ:", fruits[-1])
print("3つめ以降:", fruits[2:])
print("逆順リスト:", fruits[::-1])

実行結果

最初のフルーツ: りんご
最後のフルーツ: ぶどう
3つめ以降: ['バナナ', 'メロン', 'ぶどう']
逆順リスト: ['ぶどう', 'メロン', 'バナナ', 'みかん', 'りんご']
記述内容
fruits[0]最初の要素にアクセス(0から数える)
fruits[-1]最後の要素にアクセス
fruits[2:]2番目以降(3番目から末尾まで)
fruits[::-1]リストを逆順に並び替える

2.リストの操作とメソッド

2.1. 要素の追加・削除

リストは動的に要素の追加や削除ができます。
主なメソッドや構文を使いこなしましょう。

ファイル名: lesson06-3.py

animals = ['犬', '猫', '鳥']

animals.append('うさぎ')
print("うさぎを追加:", animals)

removed = animals.pop()
print("削除した動物:", removed)
print("現在のリスト:", animals)

animals.insert(1, 'ハムスター')
print("2番目にハムスターを挿入:", animals)

animals.remove('犬')
print("犬を削除後:", animals)

del animals[0]
print("最初の動物を削除:", animals)

実行結果

うさぎを追加: ['犬', '猫', '鳥', 'うさぎ']
削除した動物: うさぎ
現在のリスト: ['犬', '猫', '鳥']
2番目にハムスターを挿入: ['犬', 'ハムスター', '猫', '鳥']
犬を削除後: ['ハムスター', '猫', '鳥']
最初の動物を削除: ['猫', '鳥']
メソッド・構文機能説明
animals.append('うさぎ')末尾に追加新しい要素を一番最後に加える
animals.pop()末尾から削除し、値を返す引数指定で位置も削除可能
animals.insert(1, 'ハムスター')指定位置(ここでは2番目)に挿入
animals.remove('犬')値が一致する最初の要素を削除
del animals[0]インデックス指定で要素を削除

2.2. よく使うリストのメソッドと組み込み関数

メソッド名概要
append末尾に要素を追加a.append(100)
clear全要素を削除a.clear()
copyコピーを作成a.copy()
count指定要素の個数取得[1,2,1].count(1) → 2
extend他リスト要素を追加a.extend([4,5])
index要素の位置取得['A','B','C'].index('B') → 1
insert指定位置に挿入a.insert(0, 'X')
pop指定位置・末尾削除a.pop(0)
remove値指定で削除a.remove('X')
sort並び替えa.sort(reverse=True)
組み込み関数機能
len(list)要素数len([1,2,3]) → 3
max(list)最大値max([4,7,2]) → 7
min(list)最小値min([4,7,2]) → 2
sum(list)合計sum([1,2,3]) → 6
sorted(list)新しい並び替えリストsorted([3,1,2]) → [1,2,3]

 リストを活用することで、たくさんのデータを一度にまとめて処理することができ、データ管理や分析もスムーズに進められるようになります。
 これからのプログラミング学習や実務で、リストの基本操作・便利なメソッドをしっかり身につけていきましょう!