【6日でできるPHP入門】変数の展開と複合代入演算子

 PHPでプログラミングを進めるうえで、「変数の展開」と「複合代入演算子」は非常に便利な機能です。変数の展開を使うと、ダブルクォーテーション(" ")で囲まれた文字列内で直接変数の値を表示できます。また、複合代入演算子を使うと、変数に計算結果を効率よく代入することができます。この記事では、その仕組みと使い方を、具体的な例とともに解説します。

1.変数の展開とは

1.1. 文字列内での変数の展開

 PHPでは、ダブルクォーテーション(" ")で囲んだ文字列の中に変数名を記述すると、その値が自動的に展開(表示)されます。これを変数の展開といいます。

書き方例表示例
$user = "鈴木さん";
echo "こんにちは、{$user}!";こんにちは、鈴木さん!

サンプル1:変数の展開

ファイル名: lesson24_1.php

<?php
$name = "佐藤さん";
echo "ユーザー名は {$name} です。<br>";
?>

実行結果

解説

  • ダブルクォーテーションで囲んだ中に {$name} と書くと、変数の値がそのまま文字列内に展開されます。
  • 変数名の前後に中括弧 {} を付けることで、複雑な式や他の文字と区別しやすくなります。

1.2. シングルクォーテーションとの違い

結果解説
"ようこそ {$name}!"値が展開されるダブルクォーテーション
'ようこそ {$name}!'展開されずそのままシングルクォーテーション

2.複合代入演算子

2.1. 基本的な複合代入演算子

複合代入演算子とは、「演算」と「代入」を1つの記号でまとめて書ける便利な書き方です。

演算子書き方処理内容通常の書き方
+=$a += $b;$aに$bの値を加算して代入$a = $a + $b;
-=$a -= $b;$aから$bの値を減算して代入$a = $a - $b;
*=$a *= $b;$aに$bの値を乗算して代入$a = $a * $b;
/=$a /= $b;$aを$bの値で除算して代入$a = $a / $b;
%=$a %= $b;$aを$bで割った余りを代入$a = $a % $b;
.=$a .= $b;$aに$bの値を文字列として連結して代入$a = $a . $b;

サンプル2:複合代入演算子の例

ファイル名: lesson24_2.php

<?php
$count = 8;
$count += 2;      // $count = $count + 2; と同じ
echo "現在の数値: {$count}<br>";  // 10

$message = "今日の天気は";
$message .= "晴れです。"; // 文字列の連結
echo $message;
?>

実行結果

2.2. よく使う複合代入演算子

用途結果
加算$score += 5;$scoreに5を加算
減算$score -= 2;$scoreから2を減算
文字列連結$text .= "追加文";$textに文字列を追加

3.変数の展開と複合代入演算子を組み合わせた例

サンプル3:変数の展開+複合代入演算子

ファイル名: lesson24_3.php

<?php
$total = 15;
$total *= 2;
echo "合計値は {$total} になりました。<br>";

$str = "PHPで";
$str .= "プログラミングを学ぼう!";
echo "{$str}";
?>

実行結果

まとめ

  • 変数の展開とは、ダブルクォーテーションで囲まれた文字列内に {$変数名} を書くことで値を直接埋め込めるPHPの機能
  • 複合代入演算子は、演算と代入をまとめて効率よく記述できる演算子。加算・減算・文字列連結などがある。
  • これらを使うことで、より短く読みやすいコードが書けるようになる。

変数の展開と複合代入演算子を活用して、PHPプログラミングを効率良く進めましょう!