【6日でできるPHP入門】変数にさまざまな値を代入する

 PHPの変数は、数値だけでなく文字列や真偽値、nullなどさまざまな種類の値を自由に代入できるのが特徴です。1つの変数に異なる型の値を順番に代入できるため、柔軟にデータを扱うことができます。この記事では、PHPの変数にどんな値が入れられるのか、また変数の型や状態を調べる方法、消去する方法について具体例とともに詳しく解説します。

1.変数に代入できる主な値

1.1. 主なデータ型と代入例

代入例説明
整数$x = 100;整数値
小数$x = 3.14;浮動小数点数
文字列$x = "Hello";ダブル/シングルクォートで囲む
真偽値$x = true;trueまたはfalse
null$x = null;値がない状態

サンプル1:1つの変数にいろいろな値を代入

ファイル名: lesson27_1.php

<?php
$data = 42;         // 整数を代入
var_dump($data);
echo "<br>";
$data = 5.7;        // 小数を代入
var_dump($data);
echo "<br>";
$data = "テスト";    // 文字列を代入
var_dump($data);
echo "<br>";
$data = false;      // 論理値を代入
var_dump($data);
echo "<br>";
$data = null;       // nullを代入
var_dump($data);
echo "<br>";
?>

実行結果

2.型や値を調べる:var_dump関数

2.1. var_dumpの使い方

var_dump(変数名);
この命令で、その変数の「型」と「値(さらに文字列ならバイト数)」が確認できます。

サンプル2:var_dump関数の出力

ファイル名: lesson27_2.php

<?php
$test = "PHP入門";
var_dump($test); // string(9) "PHP入門"
?>

実行結果

解説

  • 「string(9)」の「9」は「PHP入門」という文字列がUTF-8で9バイトであることを表しています(全角1文字=3バイト)。
  • アルファベットだけの文字列は1文字=1バイト。

3.null値とunset関数

3.1. nullの意味

nullは「何も値がセットされていない」状態を表します。
変数自体は存在していますが、中身は「空(から)」です。

サンプル3:nullの代入と確認

ファイル名: lesson27_3.php

<?php
$item = null;
var_dump($item); // NULL
?>

実行結果

3.2. unset関数で変数を消去

unset($変数名); で、その変数自体を完全に消去できます。

<?php
$value = 123;
unset($value);
// var_dump($value); // ← この行のコメントを外すとエラー
?>

解説

  • unset後にその変数を参照しようとすると「未定義」となりエラーが発生します。

4.コメントアウトと確認方法

 プログラム内で特定の行を「一時的に実行しない」ためには、行の先頭に #// をつけてコメントアウトします。

サンプル4:コメントアウト例

<?php
$msg = "サンプル";
# var_dump($msg); // ← この行は実行されない
?>

解説

  • コメントアウトした行は無効化されるため、プログラムの動作確認やエラー回避などでよく使います。

5.バイトとビットの基本

5.1. 文字列のバイト数と表示

PHPのvar_dumpで表示される**(n)**は「その文字列のバイト数」です。
日本語や全角文字はアルファベットよりもバイト数が大きくなる点に注意してください。

結果説明
"abc"string(3) "abc"1文字=1バイト×3
"あいう"string(9) "あいう"1文字=3バイト×3

まとめ

  • PHPでは1つの変数にさまざまな型の値を代入可能
  • var_dump関数で変数の型や値・バイト数が確認できる。
  • nullは「値が空」の状態、unsetは変数自体を削除
  • コメントアウトで一時的な実行停止やデバッグができる。
  • 文字列のバイト数は文字数と一致しない場合があるので注意

このようにPHPの変数は柔軟でパワフルです。さまざまな値を代入して、その挙動を確認してみましょう。