【6日でできるHTML&CSS入門】レスポンシブ Web デザインの作成

 Webページ制作では、パソコンやスマートフォン、タブレットといったさまざまなデバイスで正しく・美しく表示できることが重要です。そのために欠かせないのが「レスポンシブ Web デザイン」です。
 レスポンシブWebデザインを実装することで、1つのHTMLで複数デバイスに最適化したWebページを作成できます。ここでは、レスポンシブWebデザインの作成手順、ビューポート設定、メディアクエリの基礎、実際のHTML+CSSサンプルと確認方法について詳しく解説します。

1.レスポンシブ Web デザイン作成の基本

1.1. ビューポート(viewport)を設定する

レスポンシブWebデザインを適用する際に最初に必要なのは、ビューポートの設定です。
ビューポート設定はHTMLの<head>内で、以下のように指定します。

<meta name="viewport" content="width=device-width,initial-scale=1.0,minimum-scale=1.0">
属性説明
width=device-widthデバイスの幅に合わせてページ幅を指定
initial-scale=1.0ページの初期拡大率(標準は1.0)
minimum-scale=1.0ページの最小拡大率(任意・省略可)

これにより、スマートフォンやタブレットでもレイアウト崩れしにくくなります。

1.2. メディアクエリで画面幅ごとにデザインを切り替える

メディアクエリとは、CSS内で「画面サイズごとに異なるデザインを適用できる機能」です。

例(パソコン/タブレット/スマートフォンごとに背景色を切り替える)

用途メディアクエリ例(画面幅で分岐)
パソコン用@media screen and (min-width: 767px)
タブレット用@media screen and (max-width: 767px)
スマートフォン用@media screen and (max-width: 479px)

2.サンプルで学ぶ:簡単なレスポンシブWebページ

2.1. サンプルHTMLとCSS

ファイル名: lesson39_1.html

<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
  <title>レスポンシブデザインのサンプル</title>
  <meta charset="utf-8">
  <!-- ビューポート設定 -->
  <meta name="viewport" content="width=device-width,initial-scale=1.0,minimum-scale=1.0">
  <style>
    #main-box {
      color: black;
      text-align: center;
      width: 100vw;
      height: 100vh;
      margin: 0;
      display: flex;
      justify-content: center;
      align-items: center;
      font-size: 2em;
    }
    /* パソコン用(幅767px以上) */
    @media screen and (min-width: 767px) {
      #main-box {
        background-color: #ffffff;
      }
    }
    /* タブレット用(幅767px以下) */
    @media screen and (max-width: 767px) {
      #main-box {
        background-color: #e0e0e0;
      }
    }
    /* スマートフォン用(幅579px以下) */
    @media screen and (max-width: 579px) {
      #main-box {
        background-color: #000000;
        color: #fff;
      }
    }
  </style>
</head>
<body>
  <div id="main-box">
    <p>レスポンシブ サンプルページ</p>
  </div>
</body>
</html>

表示結果

パソコン:白背景に黒文字

タブレット:グレー背景に黒文字

スマートフォン:黒背景に白文字

2.2. 主なHTMLタグ・CSSのまとめ表

タグ/プロパティ役割・内容
<meta name="viewport">ビューポートの設定
@mediaメディアクエリ(画面幅等でCSSを切り替え)
width/heightボックスサイズの設定
background-color/color背景・文字色の指定
display: flex/align-items中央揃えレイアウト

3.デバイスごとの見た目の確認方法

3.1. Chromeデベロッパーツールを使う

 Chromeなど主要ブラウザには、デバイスごとの表示をシミュレートできる「デベロッパーツール」があります。

1.Chrome右上「︙」→「その他のツール」→「デベロッパーツール」

開発者ツール画面が開く

2.「デバイスモード」アイコン(スマホマーク)をクリック

画面幅や端末種別を変更してプレビュー可能です。

3.プルダウンから各種デバイス(iPhone/Pixelなど)選択

スマホ・タブレットなど様々な表示をテストできます。

4.よく使うレスポンシブ設定のコツ

  • 幅や高さをパーセントやvw/vhで指定(画面サイズに追従)
  • フォントサイズや間隔もメディアクエリで調整
  • 不要なスクロールが発生しないように余白を見直す

まとめ

レスポンシブWebデザインの作成は、「ビューポート設定」+「メディアクエリ」から始まります。
画面幅ごとにデザインを切り替えることで、1つのHTMLファイルで複数端末に対応可能。
主要ブラウザのデベロッパーツールを活用して、スマホ・タブレット・PC表示のチェックも忘れずに行いましょう!

実際の現場では、この基本パターンをアレンジして複雑なレイアウトにも発展させられます。