【6日でできるC言語入門】アルゴリズムとデータ構造

 プログラミングにおいては、コンピュータ言語の文法だけでなく、「どのような手順で処理を行うか(アルゴリズム)」や「どのようにデータを管理するか(データ構造)」が非常に重要な要素となります。
 アルゴリズムとデータ構造は、プログラミングの“レシピ”や“材料の管理方法”のようなもので、効率的で柔軟なプログラムを作成するための基礎となります。

1.アルゴリズムとは何か

1.1. アルゴリズムの意味と例え

アルゴリズムとは、「問題を解決するための手順」です。
例えば、カレーを作る時のレシピ(材料をどう加工し、どの順番で調理するか)がアルゴリズムにあたります。

料理のレシピプログラムの対応
材料を揃えるデータの準備
切る・炒めるデータの加工
煮込む・仕上げる処理の流れの設計

アルゴリズムは、効率よく問題を解決するための「設計図」といえるでしょう。

1.2. アルゴリズムの活用例

現実の課題を解決するためには、多くの場合、複数のアルゴリズムを組み合わせたり、改良したりして用います。
たとえば「数字の並び替え(ソート)」や「データの検索」なども代表的なアルゴリズムの応用です。

問題例アルゴリズムの利用例
数字を昇順に並べ替える。ソートアルゴリズム(バブルソート、クイックソートなど)
データから条件に合うものを探す。探索アルゴリズム(線形探索、二分探索など)

2.データ構造とは

2.1. データ構造の基本

データ構造とは、「データを整理して管理する仕組み」のことです。
大量の情報を効率よく処理するためには、どのようにデータをまとめて扱うかが重要になります。

データ構造の例説明
配列(Array)同じ型のデータを順番に並べて保存する。
構造体(Struct)複数の異なる型のデータをひとまとめにする。
リスト(List)要素をつなげて並べる柔軟なデータ構造
木構造(Tree)階層的にデータを管理する。
ハッシュテーブル(Hash Table)高速にデータを検索するための仕組み。

例えば、学生情報の管理では「学籍番号」「氏名」「学年」など複数のデータをまとめるために構造体を使います。
また、郵便番号のように階層的な情報管理もデータ構造の工夫によって効率化されます。

2.2. フローチャートとアルゴリズムの記述

フローチャートは、アルゴリズムを図でわかりやすく表現する方法です。
処理の流れや条件分岐、繰り返しなどを直感的に描写できるため、プログラム設計時によく利用されます。

フローチャートの記号意味
楕円形開始・終了
四角形処理
ひし形条件分岐
矢印流れの方向

例:1〜10の乱数を発生させ、その値が5以上なら回数分「HelloWorld」と表示

3.アルゴリズムの3大基本処理

3.1. 順次処理

手順通りに一つずつ処理を進める方法です。
(例:A→B→Cと順番に処理)

3.2. 分岐処理

条件によって処理の流れを変える方法です。
(例:もしAならX、そうでなければY)

3.3. 繰り返し処理

条件を満たす間、同じ処理を何度も行う方法です。
(例:Aが10回未満の間、繰り返す)

基本処理説明
順次処理決まった順番で処理を進める。
分岐処理条件により処理を分ける。
繰り返し処理条件を満たす間、処理を繰り返す。

これらの処理を組み合わせて、あらゆるアルゴリズムを表現できます。
この手法を「構造化プログラミング」と呼びます。

まとめ

アルゴリズムとデータ構造は、プログラミングの基礎中の基礎です。
 「どのような手順で問題を解決するか(アルゴリズム)」と「どのようにデータを管理するか(データ構造)」を理解・工夫することで、より効率的で信頼性の高いプログラムを作ることができます。
良いプログラマーになるための第一歩として、基本的なアルゴリズムとデータ構造をしっかり学びましょう。